英Symbianが10月21日から2日間、英ロンドンで開催した展示会「Smartphon Show 2008」で、調査会社の米Strategy Analyticsのグローバルワイヤレスプラクティス担当ディレクター Neil MawstonMawston氏がスマートフォン市場の今後について、さまざまな角度から予想した。米国では米Googleの「Android」を搭載した「HTC G1」が発表されたばかり。現在、スマートフォンOSで過半数のシェアを誇るSymbianだが、今後OSの競争はどのような流れになるのだろうか。
携帯電話市場の平均を上回るペースで成長
2桁成長を続けてきた携帯電話市場の中でも、スマートフォンは成長市場だ。スマートフォン市場は世界の携帯電話の出荷台数を上回る増加率で成長している。「2008年、世界のスマートフォン出荷台数は、平均の3倍で成長すると予測している。このトレンドは今後も続き、2015年まで2倍で成長する予想だ」とMawston氏は言う。スマートフォンは、高成長セグメントといえる。
台数では、2000年に200万台だった出荷台数が2015年には6億台になると予想、2015年には全携帯電話出荷台数の45%に達する見込みだ。
ボリューム増加はミッドレンジの拡大を意味する。プレミアム端末が占める比率は縮小し、平均販売価格(ASP)は減少する見込みだ。スマートフォン市場は2015年には1,000億ドル市場となり、全携帯電話市場の65%を占めると予想している。
Mawston氏はまた、スマートフォンユーザーのARPUは20 - 30%高く、スマートフォンは端末ベンダだけでなく、オペレータにとっても魅力的であることにも触れた。
地域別には、スマートフォンの大きな市場はアジア太平洋地区となる。すでに普及している日本のほか、今後は中国、インドなどでも普及していくと予想する。ボリュームではアジア太平洋地域が重要であるのに対し、「バリューは北米」とMawston氏。米国は、世界のメディア、インターネット、TVが融合する中心地であり、スマートフォンにとって非常に重要な市場だ。「北米市場でシェアが低いSymbianには課題となる」とMawston氏は見る。この市場では、米Motorola、韓国Samsung、韓国LGなどのSymbianライセンシーが鍵をにぎる、とMawston氏は付け加えた。