10月25日、東京・青海の東京国際交流館において「第23回デジタルコンテンツグランプリ」の贈賞式が行われた。

財団法人デジタルコンテンツ協会が主催する「デジタルコンテンツグランプリ」は、国内デジタルコンテンツ産業の発展に大きく貢献した団体・人物を表彰するとともに、次代を担うクリエイターの発掘を目的としたもの。23回目となる今回は、2007年9月2日から2008年9月5日の間に市場に出された製品や作品を対象に選定が行われた。また贈賞式は「デジタルクリエイターズコンペティション2008」「映像甲子園2008」と合わせて行われている。

第23回デジタルコンテンツグランプリ、受賞者の顔ぶれ

今回も例年と同じくビデオゲーム、アニメ、実写作品、家電など、デジタルコンテンツの領域にふくまれる多彩なジャンルから選りすぐりの作品・製品が選出され、なかでも大賞にあたる経済産業大臣賞には、任天堂のWii用ソフト『Wii Fit』が選ばれた。同ソフトは今年行われた「第13回AMDアワード」総務大臣賞(大賞)、「日本ゲーム大賞2008」大賞に続いて、3冠目の大賞獲得となる。

『Wii Fit』はこれらどの賞においても、ゲーム機を活用した健康管理という独創的なアイデアと、それを幅広く一般に普及させたことが評価されており、ゲームはもとより、デジタルコンテンツの可能性を切り拓いた象徴となっているようだ。贈賞式では任天堂の豊田憲広報室室長が喜びの言葉を述べ、続いて審査委員長の妹尾堅一郎氏より審査講評がまとめられた。

■豊田憲氏(任天堂・広報室室長)

経済産業大臣賞を獲得した『Wii Fit』。任天堂を代表して壇上に上がった豊田憲広報室室長

「受賞の理由をお聞かせ願ったところ、いわゆるデバイスとコンテンツの融合によってゲームの社会性を広めた、ということでした。当社は従来からソフト主導でハードと一体の技術を展開していますから、これはまさに最高のほめ言葉だと頂戴しました。『Wii Fit』の開発に携わった者と、当社のつぎの開発に向けての大変大きいエネルギーになると思っております。本日は本当にありがとうございました」


■妹尾堅一郎氏(第23回デジタルコンテンツグランプリ審査委員長)

今回の審査委員長を務めた、東京大学客員教授の妹尾堅一郎氏

「それぞれのプロのみなさんから、それぞれの分野の知見でのご意見を受けて審査をさせていただきました。結果的に『審査の基準は何なんだ』と言われると、私はイノベーションだと思っております。現行のモデルを磨くことではなくて、変えることです。モデルを徹底的に磨いてつぎのモデルの予感をさせたもの、いままでのモデルを変えたもの、これを評価しているわけです。デジタルコンテンツグランプリは今回23回目を迎えております。これは映像甲子園に出られた方が生まれる前から始まってるということなんですが、世代が交代するということです。したがってデジタルコンテンツグランプリの考え方自身も端境期に来ているのではないかと思います。今後もぜひ日本発の世界を元気にさせるものが出てくればいいなと思っております」


第23回デジタルコンテンツグランプリ受賞結果一覧

賞名 受賞作品 受賞者名
経済産業大臣賞 Wii Fit 任天堂
DCAJ会長賞 iPhone 3G アップルジャパン・ソフトバンクモバイル
優秀賞 スカイ・クロラ The Sky Crawlers プロダクション・アイジー
技術賞 HIGH SPEED EXILIM EX-F1 カシオ計算機
コンテンツ制作スタッフ賞 マクロスF マクロスF製作委員会・サテライト
錦賞 琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。 琉球カウボーイフィルムス製作委員会
審査員特別賞 東京オンリーピック 東京オンリーピック製作委員会