自転車のパンク修理と聞くと、チューブに穴が開いたところを探し、専用のパッチを貼付ける作業をイメージする人が多いのではないだろうか。もちろんそれでも構わないのだが、スポーツサイクルの世界では「チューブ交換」のほうがメジャーなやり方だ。とくにクロスバイクやロードバイクのホイールは高い空気圧が必要で、パンクした際はパッチで塞ぐよりチューブごと交換したほうが確実なのだ。サイクリングに出かけた先で困らないためにも、タイヤチューブの交換はぜひ覚えておこう。

なお今回は、横浜市・港北ニュータウンのショップ「バイクプラス港北N.T.」が隔月で開催している、タイヤチューブ交換クリニックの内容を紹介しながら、チューブの交換方法を紹介する。

今回のレクチャー役、バイクプラス港北N.T.の西村大助氏。アメリカのメカニック資格「マスターメカニック3.0」を持つ数少ない日本人のひとりだ

タイヤレバーでタイヤを外しチューブを取り出す

まずは、自転車本体から、チューブ交換したいホイールを外そう。なお、スポーツサイクルのホイール脱着方法は、ほとんどの専門店で納車説明の一環として行われているはずなので、ここでは割愛する。ホイールを外したら、タイヤをリムから外そう。外すのは片側だけで良い。そしてタイヤチューブを取り出し、パンク箇所を確認。タイヤにも異常がないかチェックしよう。

タイヤレバーをタイヤとリムの間に差し込む。タイヤレバーの向きを間違えないようにしよう

スポークのある位置に、タイヤレバーを差し込む

タイヤレバーを起こすと、タイヤのへりが浮いてくる。ほとんどのタイヤレバーは写真のようにスポークにひっかけることが可能。これでタイヤが外れている状態を維持できる

次に少し間隔を空けて、同じようにタイヤレバーを使ってタイヤをリムから浮かす

さらにもう一カ所、同じ作業を繰り返した。これで、タイヤとリムの間に手を入れられる程度の隙間ができた

タイヤとリムの間に手を入れて、全周に渡って外していく

全周に渡って外したところ。片側だけ、つまり写真のような状態で良い

空気を入れるバルブとは反対側から、チューブを取り出していこう

バルブの部分が最後。バルブを押してあげれば取り外せる

強引に外そうとすると、写真で見せているバルブの根元部分が痛んでしまう。どうせ捨てるチューブとはいえ、雑な作業は控えたい。また、やむを得ずチューブをパッチで修理する場合は、絶対に慎重に

パンクしたチューブに空気を充填し、どこから空気が漏れているのか探してみよう。その場所がわかれば、タイヤのどのあたりに異物があるのかを探りやすいというわけ

タイヤの裏側を手で探ってみる。前のステップで確認した場所を手始めに、全周に渡ってチェック。パンクしたときは、なぜか小石や小さな釘が見つかったりするもの。異物はしっかり取り除かないと、チューブ交換後にまたパンクしてしまう

⇒新しいチューブを入れよう