名刺サイズのQRコード付き「GO!GO!GO!KON」カード

合コンに参加してもなかなかうまくいかない……次こそはと臨んでもやっぱりだめ-。色々と理由はあるのだろうが、今回は科学的に合コンを攻略する方法を紹介しよう。奈良先端科学技術大学院大学の学生が設立したベンチャー企業「ホープフル・モンスター」は、情報科学を駆使して男女の出会いを支援するシステムを開発。気になる異性の近くに座ることができる計算システム「THE SEKIGAE(ザ セキガエ)」や、好印象同士が分かるシステム「GO!GO!GO!KON (ゴーゴーゴウコン)」など、だ。どちらも携帯電話の機能を利用してできるサービスで、9月に初めて手掛けた合コンでは参加者36人のうち7組ものカップルを誕生させた。

同社は同大学院情報科学研究科博士課程で進化的アルゴリズムやニューラル・ネットワークを専門とする黒岩将さんと、修士課程で最適配置問題や人工知能プログラミングを専門とする武田康臣さんが5月に設立。研究室で研究に打ち込むばかりに女性と縁遠くなっている男子学生が目に余り、専門の情報科学を活かして合コンをプロデュースする事業を立ち上げたという。早速、未婚化に悩む自治体などからの問い合わせが相次いでいるようだ。

同社がプロデュースする合コンでは、一般的な自己紹介に始まりフリートーク、中盤に「THE SEKIGAE」を実施して参加者全員が出来るだけ気になる異性の近くに座ることができるよう席替えをし、最後にフィーリングカップルゲームとして「GO!GO!GO!KON」で両想い同士を明らかにして締めくくる。黒岩さんによると「THE SEKIGAE」を使って席替えをした後に「GO!GO!GO!KON」を行うと、「THE SEKIGAE」を使っていない場合に比べてカップル成立数が増えるという。「近くに座っている相手が自分のことを選んでくれたのではないかと気になりだし双方が恋の暗示のようなものにかかるのが原因ではないか」と分析する。

気になる異性の近くに座ることができる「THE SEKIGAE」

具体的に「THE SEKIGAE」を説明する。例えば男女5人ずつが横一列に向かい合って座ると約100万通りもの席順があるという。そこで情報科学を用いた同システムを利用すると、数万通りある膨大な組み合わせの中から98%以上の高い確率でそれぞれの第1~第3希望の異性が自分の正面に座る席順を提示してくれる。利用方法は簡単で、各参加者が近くに座ってアプローチしたい異性を選び、自分の携帯電話から同社のサーバーにメールを送信。あとは自動的に席順がはじき出され、目の前には希望通りの異性が座っていることとなる。好みが1人に集中するような場合には希望が実現しないこともあるというが、男女15人ずつまでなら高い確率は維持されるという。

好印象同士を結び付けてくれる「GO!GO!GO!KON」

最後は「GO!GO!GO!KON」を活用して、あいまいなまま終わりがちになるお互いの気持ちの確認をすることが大切。このシステムを活用すれば、両想い同士では自動的にメールアドレスが交換されることとなる。使い方は以下の通り。

その場の全員が携帯電話を使用してカードのQRコードを読み取り、空メールを送信する

メールで「あなたは○○番」という返信がくるので、自分に返ってきた番号を発表する

気になる異性の番号を自分に返ってきたメール本文に書いて返信する

「この中に両想いは【○】組います。結果は後3分待ってね」という両想い成立数が通知される

「おめでとう!あなたの想いはつながりました。相手の連絡先は○○○○○○@○○○.ne.jpだよ。連絡をとってみてね」という返信が、両想い成立者同士間だけに通知される

最近では、フリートーク時に気になる異性とできる限りたくさん話す機会(回数)を最大化するカップリングを求める「安定結婚ゲーム」も開発。全員から自己紹介時の印象でもう少し話してみたい人のランキングをアンケートに記入したもらい、回収したデータから全員が最低1回は1番話したい人と話すことができるように計算で求めて順次発表する。「男性○番と女性○番は話をしてください」という指示が出るので、話したい相手が別の人と話していたり、自分が別の人と話していたり、恥ずかしがり屋で話しに行けなかったりなど悩みが解消される。一方で、「『安定結婚ゲーム』で仲良く話をした異性を最後の『GO!GO!GO!KON』で選ばないと何か相手を裏切ったような気持ちになるという意見が複数から出てきた」(黒岩さん)とのこと。人の心を科学で解明はできないが、開発したシステムを「気になる異性の連絡先を聞くことができないシャイな男女、積極的に近寄っていって話しかけることができない男女に利用してほしい」と黒岩さんは期待している。

現在、1回の合コンにつき主催者からプロデュース料金(3万円~、以降10名ごとに1万円ずつ加算)を支払ってもらっており、同社主催の合コンイベント「HopCom」は、弁護士や会計士、大学関係者(教員、研究者)が中心に集まっており、平均4,500円の参加費で開催しているという。「HopCom」の情報メールが届く会員登録はこちら