22日、世界最大級の旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」日本語版が正式オープンした。トリップアドバイザーは米国を起点に、現在までに7カ国6言語でサービスを展開。日本は8番目の拠点で、同サイト初のアジア進出となる。同日行われた発表会では、サービス概要や同サイトの特徴などが紹介された。
トリップアドバイザー グローバルコミュニケーション バイスプレジデント ミシェル・ペリー氏 |
はじめに米本社バイスプレジデント ミシェル・ペリー氏がサイトの概要について説明。同サイトは、旅行会社やホテルにより提供される情報ではなく、旅行者の視点を最重要視した情報提供をしようという考えのもと、2000年に設立。同種のサービスを買収しながら、現在は月間のユニークユーザー(UU)数2,500万ユーザー、会員数600万人という世界最大級のオンラインコミュニティとなっている。
掲載されているクチコミ情報数は2,000万件(10月23日発表)に達し、コンテンツの幅が非常に広いため「同じ好みを持っている人からの情報を通じ、自分の関心に近い情報を見つけられる」(ペリー氏)という。
日本市場への参入については、「日本は世界でも第2の旅行産業市場。加えて、ネット環境やCGMが発達していることから、旅行のクチコミ情報サイトは受け入れられやすい環境」(同氏)と判断。日本市場が大きなチャンスだと考えていることを明らかにした。
トリップアドバイザー日本法人 代表取締役 山本考伸氏 |
続いて、日本語版サービスの責任者で同社日本法人の代表取締役 山本考伸氏より、同サイトの現状と戦略について説明が行われた。同サイトは7月より試験サービスが運用されており、現在までのUU数は約79万人、日本語のクチコミ情報数は4万4,000件に達している。山本氏はこれについて「うれしい驚き」であり、「これからもユーザー数を伸ばし、既存の大手旅行サイトと並ぶぐらいに成長できれば」と述べた。
また現在、海外ホテルの予約・比較サイトを運営するアップルワールドと提携し、「アップルワールド.com」が保有する6万件以上のクチコミ情報をトリップアドバイザーに表示。より多くの情報を提供するとともに、アップルワールドへの予約を促すことで、ユーザーおよび両サイトにとって利点のある提携となっている。サイトオープン記念として、クチコミを投稿者を対象にJALマイルやホテルクーポンなどをプレゼントするキャンペーンを実施。より情報を充実させるための戦略を進めている。
同サイトでは、ユーザーからの投稿をコンテンツチームのチェックを経て掲載する仕組みで、「内容には自信を持っている」(同社マネージャー 萩原祥吾氏)とのこと。また、有用な情報を多数投稿してくれたアクティブユーザーを同サイト公認の「旅の達人」に任命。サイト内のフォーラム「旅の質問箱」において、ユーザーからの質問に答えたりアドバイスを行い、ユーザー間のコミュニケーションを促進していくねらい。現在、日本語版においては5名が任命されているが、2008年度中に15~20名まで増やす予定だ。
「国内には旅行のクチコミ情報を提供する大手サイトがあるが」という問いに、山本氏は「(トリップアドバイザーは)目的地のホテル・観光地・レストランなど、情報をカテゴリごとに検索しやすい形にアレンジ」しており、これにより「他のサイトとは異なる価値を提供できるのではないか」と、日本の市場で独立した地位を獲得していきたい考えを示している。