第1弾コンテンツは「旭山バーチャル動物園」

AICT、マイクロソフト、旭川市の3者連携の第1弾コンテンツとなるのが、「旭山バーチャル動物園」だ。これは旭山動物園の各展示館をバーチャル体験できるサイト。WPF(Windows Presentation Foundation)で開発されたMother Earthとは異なり、旭山バーチャル動物園はWebブラウザプラグインのSilverlightを利用。WindowsやMac OS Xのプラットフォームを問わず楽しめる点が特徴だ。また、同サイトのバーチャル展示館の再現には、Microsoft Live Labsが開発した写真合成技術「Photosynth」を利用。これは複数の写真の位置情報を認識して、自動的に3D空間に配置していく技術。写真で構築された3D展示館では、見たい部分、進みたい方向をクリックするだけで写真がスムーズに切り替わり、館内を自在に歩き回っているかのような感覚を体験できる。コンテンツ自体はほとんど完成しており、今後公開する予定だという。

SilverlightとPhotosynthを活用した「旭山バーチャル動物園」を公開する予定。なお、2009年2月には角川映画「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」を公開。公式サイトではSilverlight 2を使った動画を配信する予定となっている

"旭川Webデザイン"のブランド化

旭山バーチャル動物園はまだ実験的な試みだ。Silverlightを十分に活かしたコンテンツとはいえないが、「Webデザインの街・旭川」を実現するための産学官の取り組みはスタートしたばかり。仕事誘致につながる産業に発展させるには、クリエーターやデザイナーの"熱意ある"育成・支援が欠かせない。もちろんWebデザインの技術なら、Silverlightだけでなく、Flash(Adobe Systems)なども必要だという声はあるだろう。しかし、マイクロソフトとの提携は習得技術を限定するものではなく、同社が持つノウハウを採り入れてIT人材育成の枠組みを作るという狙いも強い。これまでの同社と各自治体との協働実績――地方ITベンチャー支援による地域産業の活性化教育支援など――に期待する部分も大きいだろう。

西川市長からは「他の地域に先んじるすばらしいソフト開発を実現できることを期待している」とのコメントが寄せられた。旭川家具がブランド化したように、"旭川Webデザイン"も競争力を持つブランドに育つだろうか。「Webデザインの街・旭川」構想の取り組みに注目したい。


オマケ(旭川動物園にて印象深かった系)

あ、飛んでる……

突然振り向かれて驚いた。クビ回りすぎでは……

子どもも大人も必死に「かわいいぃぃ」を連呼