HTC Nipponは、15日に報道関係者向けイベントを開催し、イー・モバイルが10日に発売したばかりのHTC製スマートフォン「Touch Diamond」および、今後日本市場に投入する「Touch Pro」を紹介した。

世界市場向けに販売している海外版のTouch Diamondも展示。イー・モバイル版と海外版は対応する周波数が異なるだけでなく、デザインも市場にあわせて変更されている

同社はこのTouch Diamondと、キーボードを追加した類似機種の「Touch Pro」をNTTドコモとソフトバンクモバイルに供給する予定。KDDIからも、Touch Proをベースとした「E30HT」の発売がアナウンスされており、国内すべての携帯電話事業者からほぼ共通の機種が登場することになる。

HTC Nippon代表取締役社長のDavid Kou氏

HTC Nipponは、契約する携帯電話事業者(キャリア)を問わない、いわゆる「SIMフリー(キャリアフリー)」の機種もすでに発売している。この日のプレゼンテーションでも、Windows Mobileというプラットフォームを活用し、事業者を横断して同じ機種を投入することで、日本の携帯電話市場を「ガラパゴス」(世界的に見て特異な進化を遂げたため、国際的に孤立した市場の意味)から脱却させたいとの意向が示された。ただし、日本における同社製品の大部分は一般の携帯電話同様に事業者を通じて販売されており、国内のビジネスはあくまで事業者との協力によって推進するとの考え方。同社代表取締役社長のDavid Kou氏は共通機種を横断展開することについて、業界構造の転換ではなく選択肢の拡大が目的であり、ユーザーの利便性を高めることが最も重要であると説明した。

Kou社長は、Touch DiamondはこれまでのHTC製品と異なり、海外での発売から大きなタイムラグなく日本市場にも投入できたことをアピール。今後2~3年のうちに、日本の携帯電話端末市場で年間シェア5%を獲得することが目標だという。

イー・モバイルの「EMnetメール」とその絵文字も使用可能。日本の事業者が独自に提供するサービスにも積極的に対応したいという