トヨタ自動車は15日、4人乗車の超コンパクトカー「iQ」(アイキュー)を11月20日より発売すると発表した。140万円から160万円。
同車は昨秋のモーターショーで公開された「iQコンセプト」の市販バージョン。3気筒1.0L(リッター)エンジンを搭載し、10・15モードで23.0km/L、新しいJC08モードでも21.0km/Lというクラストップの低燃費を実現している。また、車名「iQ」の「i」は、"個性(individuality"、"革新(innovation)"、"知性(intelligence)"などを、「Q」は"品質(quality)"のほか、"新しい価値観とライフスタイルへのきっかけ(cue)"などを意味しているという。
全長2,985mm×全幅1,680mm×全高1,500mmという小型ボディは、効率の高いパッケージングにより実現した。ディファレンシャルギヤを反転させて出力軸を車両前方へ配置し、エンジンに対してタイヤ位置を前に出してフロントオーバーハングを短縮。それに合わせてステアリングギヤボックスを上方に配置し、エンジンルームをコンパクトにした。燃料タンクをフラット化し床下に搭載することで、リヤオーバーハングを短縮した。そのほかシートバックの薄型化、エアコンの小型化、インストルメントパネルの左右非対称化などが行われている。これにより大人3人が快適に座ることができ、さらに子供1人の乗車、もしくは荷物の積載を可能とした。車両重量は890kgに収まっている。
エンジンは1.0Lの「1KR-FE」で、コンパクトなエンジンルームに合わせた吸気系レイアウトを採用。低中速域でのトルク重視し、停止・発進が多い市街地走行に適した性能を発揮する。トランスミッションは「Super CVT-i」。新開発の電動パワーステアリングやサスペンションなどにより、低中速ではキビキビと、高速では安定した運動性能を発揮するという。フロントサスペンションはマクファーソンストラット、リヤはトーションビーム式を採用した。また、電子制御式液体封入エンジンマウントや、遮音性に優れたフロントウインドシールドガラスを全車に採用し、高い静粛性を実現している。
安全性の面では、後方からの衝撃に対応するSRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグ(世界初)を含む9個のエアバッグを標準装備。前席には頸部傷害軽減を考慮したヘッドレスト一体型シートを採用している。ボディは衝突安全性能を追求した「GOA」。また、歩行者に対しても傷害軽減に配慮したボディ構造としている。
環境性能については、1km走行あたりのCO2排出量換算値:10・15モード走行101g/km JC08モード走行111g/kmの「2015年度燃費基準」を達成。「平成17年度基準排出ガス75%低減レベル」の認定も取得した。燃費効率を示す「エコドライブインジケーターランプ」や、実走行燃費の向上に寄与する「エコモード」スイッチを採用している。
なお、同車は2009年初より欧州でも同名で発売される。