米Intelは10月14日(現地時間)、2008年第3四半期(7-9月期)の決算発表を行った。同四半期の売上は102億ドルで前年同期比1%のアップ、純利益は20億ドルで12%の増加となった。売上上昇率が低いものの、プロセッサやチップセット製品の販売が過去最高を記録したことと、製造コスト低減効果で利益率が上昇し純利益増に貢献した。
同社社長兼CEOのPaul Otellini氏は「第3四半期の売上はIntel市場過去最高を記録し、30億ドルを超える営業利益達成など、堅実な業績となった」とコメントしている。だが一方で第4四半期以降の見通し予測は困難としており、現在世界を覆いつつある金融危機が消費者動向にどの程度影響するかは未知数だという。Intel自身は強力な製品ラインナップや健全なキャッシュフロー、新技術などもあり、こうした困難を乗り越えることができるとOtellini氏は付け加えている。
米国の主要指標の1つであるダウ工業平均株価の構成銘柄の1つであるIntelの動向は、米国経済ならびにIT業界の今後の行方を占う要素だと考えられている。そのため同日のIntelの決算には注目が集まっていた。14日は前日相場の急上昇の反動もあり、特に上昇率の高かったIT関連の銘柄を中心に売りが進み、Intelの株価は前日比6.24%マイナスの15.93ドルで取引を終えている。決算発表を受けて時間外ではやや戻し、3.70%プラスの16.52ドルとなっている。13日にはDowが過去最高を記録する900ポイント以上の上昇を見せており、おおよそ急上昇前の水準に戻った感じだ。
業績を細かく見ていくと、前述のようにプロセッサとチップセットの出荷数は過去最高を達成している。そのためASP(平均販売価格)はすべてのカテゴリで減少を見せているものの、トータルの営業利益ではプラス方向に向いている。NetbookやNettopのカテゴリで知られる小型機器向けプロセッサのAtomや関連チップセットの販売額は約2億ドルだった。粗利益率は同年第2四半期の55.4%から58.9%に上昇している。先行きが不透明だとされている第4四半期の売り上げ目標は101~109億ドルで、粗利益率は59%。2%程度の振れ幅を予想する。