プロセス技術によるグリーン化
なお、製品そのものの低消費電力化も忘れてはならない。ムーアの法則に則って開発されてきた同社のプロセス技術は、現在45nm High-kプロセス技術が採用されている。これは、前世代の65nmプロセス技術と比べ、約2倍のトランジスタ集積度、20%以上のトランジスタスイッチング速度の向上を実現していながら、トランジスタスイッチング電力を約30%削減することに成功している。
こうした技術を基にした製品を用いることで、同社は自社のデータセンターの最適化を実施、2004年には5.1Mbops(business operations per second:秒あたりのビジネスオペレーション)を実現するために6ラックに126台のサーバを使用し、48kWを消費していたものを、2007年に新設したデータセンターでは、1ラック(ブレード17枚)だけで5.1Mbopsを実現し、その消費電力は6kW、年間のエネルギーコストは約87%削減され、エネルギーコストは約5万3,000ドル削減することができたという。
確かにデータセンターの電力は増加の一途を辿っており、2008年4月に提出された総務省の報告書「地球温暖化問題への対応に向けたICT政策に関する研究会」では、米国環境保護庁(EPA:Environmental Protection Agency)による報告書「サーバ及びデータセンタのエネルギー効率に関する議会報告」の概要に触れており、それによると2006年の米国における"データセンターの電力消費量は約600億kWhで、国内電力消費量の約1.5%を占めている。この消費量は過去5年間で倍増しており、今後5年間でさらに倍増することが見込まれるというものであり、データセンターの消費電力削減が必要であることが窺える。