女性だって商品開発の裏話や技術を知りたい
一般のビジネスセミナーの会場では、お疲れのビジネスマンがうとうとする光景も見られるが、この会場での女性たちの眼差しは、皆夢中で迫力さえ感じられる。企画背景や市場の話、製品の作られる工程といった商品作りの裏話を知りたいようだ。当日プレゼンテーションを行った明治製菓の健康事業マーケティング部 伊藤喜一氏は、「今の消費者の目はとても厳しい。特に女性は、シビアに見て判断する。悪い商品は売れないが、自分にとって納得のいくもの、本当にいいと思うものはリピーターになってくれるし、クチコミ力も強い」と語る。また、湯葉パックを披露したi-on(イオン)代表取締役 細井菜穂子氏は、「冷凍保存でお届けするという商品の性質上、通信販売での限定となるため、店頭に商品を並べて知名度を上げるといったことはできない。親和性の高いネット上で仕組みを作ることも大切であるし、商品のよさを生の声でアピールする場も欲しかった」という。確かにブログ上でのコメントと購入サイトへのリンクは、通信販売のみの商品には不可欠なPR源だ。
明治製菓の「アミノコラーゲン」のようにブランド名は浸透している商品は、"気になっているが購入には至らない"層へのアプローチをどう行うかがキーとなる。舞台でのプレゼンテーションの後、ブースでも質問攻めの担当者たち |
コーセーは「トーニングローション」をお土産に用意。嶋田氏がここでも化粧直しのワンポイントレッスンを伝授。サンプルを片手にパンフレットを見たり、メモをとったり…… |
花王の「蒸気でホットアイマスク」はリピーターが多い商品。消費者に手にしてもらう最初の突破口を試供品にし、自信のある商品だからこそクチコミ効果が狙える。ブログ用に担当者の写真を撮る参加者 |
生ゆばフェイスパック2「雛(ひいな)」を開発したi-on(イーオン)は、一枚ずつ手作りの工程や食品用湯葉とは異なる効果を説明。冷凍商品のため配布できないため、本イベントを運営するルーク19の女性社長自らが体験映像を披露 |
グローバルが開発した「美足美人」。健康促進向けの商品は、値段や特徴の差がどこからくるものか消費者には分かりにくい。開発者からの思いを伝え、展示ブースでは今回イベント用の特別企画「ピンクカラー」をお披露目 |
リトルムーンはヘアアクセサリーを配って一瞬でヘアがまとまるヘアアレンジ「夜会巻き」を伝授。650人で「夜会巻き」にトライの図は圧巻! 「夜会巻き」を検索すると同社を紹介するブログ記事が上位に |
13時から開始したイベントは、17時近くまで続いたが、この長時間、途中で席を立つことなく、ほぼ全員が最後まで、企業のプレゼンテーションに真剣に耳と目を向けていた様子が印象的だった。同日、帰宅後に検索してみるとさっそく当日の様子や商品について書いているブログを見つけた。詳細にレポートする内容を見て、本当にパワーがあること……と感心してしまった。
さて、「サンプル百貨店」についても説明を加えておこう。