千葉・幕張メッセで始まった「東京ゲームショウ2008」の会場で、KDDIは今後配信するBluetooth接続による対戦ゲーム「モバイル・パワフルプロ野球VS! 公式ライセンス版2008」などを幅広く出展している。また、携帯電話とヘッドマウントディスプレイ(HMD)を組み合わせた新しいゲームの参考出展も行っている。

KDDIブース

KDDIが9月29日に発表した新ゲーム群は、特にBluetoothを使った対戦ゲームが特徴で、他キャリアに先んじて配信されるゲームが多いという。モバイル・パワフルプロ野球VS!、「桃太郎電鉄WORLD対戦版」などのゲームが出展されており、コンピュータとの対戦だけでなく、Bluetoothを搭載した携帯電話同士で対戦することができる。

桃太郎電鉄WORLD対戦版

これまでauのゲームにはなかった人対人の対戦ができるようになったことで、ニンテンドーDSやPSPといった携帯ゲーム機のような対戦ゲームができる。

出展されているゲームは、一部はすでに配信中のものもあるが、11月以降に配信されるものが中心。その中で、モバイル・パワフルプロ野球VS!と桃太郎電鉄WORLD対戦版は、Bluetoothによる対戦ゲームの紹介として中心的なブース展開が実施されていた。

Bluetoothによる対戦では、1人が対戦相手を募集すると、周辺のBluetooth搭載au携帯電話を検索、それに参加操作をすることで携帯電話同士が接続されて対戦ゲームが行えるようになる。Bluetoothに特有のペアリング作業は不要で、ゲーム内で端末同士の接続は完結する。無線による接続だが、特に違和感がなくゲームが行えるようだ。

Bluetoothによる対戦ゲームだけでなく、3D映像を駆使した「Full Game!」の最新ゲームも出展。さまざまなゲームを試して遊ぶことができるようになっている。

出展されているゲームは、au先行配信となる「バイオハザード ディジェネレーション」(カプコン、今冬配信、価格未定)や同「リアルサッカー2009 3D」(ゲームロフト、今冬配信、525円予定)など25ゲーム。

バイオハザード ディジェネレーション

リアルサッカー2009 3D

そのうち、参考出展として展示されていたゲームとして「ドラゴンボール×ワンピース スーパーBTバトル」も注目。爆発的人気を誇るマンガのキャラクターがコラボレーションしたBluetooth対戦対応のゲームは、ブースの説明員によれば「このゲームショウだけでしか遊べない」シロモノ。現時点では発売などは未定のため、現時点では今回が唯一プレイできる機会らしい。

週刊少年ジャンプの2大人気マンガが集結したゲームショウ限定ゲーム。対戦に対応する

同様のコラボゲームでは、今冬にハドソンから525円で配信予定の「ヤッターマン×ボンバーマン」。基本はボンバーマンだが、キャラクターとしてヤッターマンのキャラクターを選択できる。

ヤッターマンとボンバーマンがコラボした携帯ゲーム

ゲーム自体はボンバーマン。プレイしているこの革手袋は……

おなじみドロンジョ様。ドロンジョ様は11日にもブースに登場予定

こうしたゲームに関して、KDDIブースではゲームショウ初日に、パワフルプロ野球VS!を題材にしたイベントも実施。イベントには、テレビで人気の「羞恥心」メンバーで俳優の野久保直樹さん、タレントで医師の西川史子さんが登場し、実際に同ゲームで対戦していた。

イベントに登場した野久保直樹さんと西川史子さん

小学校4年生から野球を始め、プロ野球のドラフトリストにも名前が載ったという野久保さんは、「(ゲームでは)パワプロを一番やっていた」と言うだけあって、携帯ゲームのパワプロは初めてとはいえ操作は慣れたもの。

それに対して西川さんは「子どものころからゲームは買ってもらっていて良くやっていた。家にはインベーダーゲームもあった。お金持ちでしたから」といつもの"金持ち発言"をしつつ、パワプロは初体験ということで、ゲーム中に野久保さんから遊び方を教わりながらの対戦。

ゲーム中の西川さん。最初はバットにボールが当たらず苦戦するも、野久保さんのアドバイスで打てるように

ハンデを付けて腕が曲がらない状態でプレイする野久保さん。ハイテクを展示しているKDDIのブースで「アナログな方法」でのハンデに苦笑していた

ゲーム自体は、ハンデを付けたものの野久保さんが1対0でリード。ただ、その後野久保さんがキー操作を誤ってアプリを終了させてしまうという野久保さんらしいハプニングが発生し、そこでゲーム終了。ミスをした野久保さんが敗者ということで「恥」のたすきを掛ける罰ゲームを受けた。

パワプロをプレイ中の2人

野久保さんは、モバイル・パワフルプロ野球VS!について「携帯にしては動きが滑らかでいい。音声も臨場感があってすごくいい。時間を忘れますね」と絶賛。西川さんも、「意外に面白い。これなら男女一緒にできていいですね。今、幸せなので二人で(パワプロを)やろうと思います」とおのろけ付きのコメントをしていた。

参考出展となったHMDは、ちょっと大きめのメガネ型。携帯電話と有線で接続すれば、携帯の画面が3mの距離に、60インチ程度で表示される。小型プロジェクタチップを光源としたHMDは、イスラエルのLUMUS製。携帯の縦長の画面がそのまま大きく表示され、その上、残った左右の空白部分は素通しで外の風景がそのまま確認できることが特徴だ。本体の重さは約140gで、さらにコントロールボックスが付属する。

完全なメガネとはいえないが小型サイズのHMD

携帯を振って遊んでいても、画面は常に目の前にある

デモで使われたゲームはスポーツゲームの「デカスポルタモバイル」とボウリングゲーム「体感ボウリング」の2種類。携帯を持ってボウリングの球を投げる動作をすると、端末のセンサーが反応して球を投げることができる。従来のゲームでは、投げている間、ゲームの画面を見ることはできなかったが、HMDなら腕を振っている間も画面を見続けられるというメリットがある。

ちょっと違和感はあるが、何とかメガネと言える

ガラス中央の見え方の違う部分に画面が表示される。その左右は素通しとなる

現時点では発売などは決まっていないプロトタイプレベルの展示だが、今後開発を続けていく考え。現在はHMDと携帯は有線で接続されているが、無線接続も検討するそうだ。