デジデザインは米サンフランシスコで開催されたAESコンベンションで音楽制作ソフト「Pro Tools」シリーズの最新版となる「Pro Tools 8」を発表した。「Pro Tools|HD」、「Pro Tools LE」、「Pro Tools M-Powerd」向けに2008年末出荷予定となっている。
Pro Tools 8は、洗練された新しいインタフェースを採用。旧来のPro Toolsシリーズでお馴染みの機能も強化されており、各チャンネルへのインサート数が従来の倍の10個となったほか、カスタマイズ性が向上。ドックへ格納可能なエディタウィンドウや、設定を変更できる編集ウィンドウ・ツールバーなどの新機能により簡単なナビゲーションを実現している。
プラグインはAIR製の新プラグインエフェクト20種、ソフトシンセは「Mini Grandピアノ」、「Boomドラムマシン」、「DB-33トーンホイール・オルガン」、「Vacuum真空管モデリング・シンセサイザ」、「Xpand!2 サンプル・プレイヤー」の5種が追加され、合計70種類以上のプラグインがバンドルされる。また同社が高い評価を得ている高品質アンプ・シミュレーションをベースとした「Eleven Free」、Bomb Factory の「Tech21 SansAmp」といったアンプ・エミュレータも用意。音楽制作に広く活用できるループ素材は約8GBと豊富に付属する。
MIDI関連機能はプロフェッショナルクオリティな楽譜編集および印刷が可能な新スコアエディタを含め、大幅に強化された。また編集ウィンドウ内でオーディオデータをリアルタイムにトランスポーズできるエラスティック・ピッチも新搭載されている。その他にはPro Toolsおよびプラグインを最新の状態に保つアップデートチェック機能やMac OS XシステムでのQuickTime HD対応、高サンプリングレート・オーディオファイルを扱える最大4GBファイルのサポートなどが盛り込まれている。
Pro Tools|HD8ではSatellite Linkオプションにより、最大5セットのPro Tools|HDシステムを1つのシステムとしてコントロール可能。ICON統合も強化されるなど、パフォーマンスが強化されている。Pro Tools LEおよびPro Tools M-Powerdでは同時に使用できるオーディオトラック数が最大48トラックとなっただけでなく、「Music Production Toolkit 2」またはPro Tools LEのみに対応する「DV Toolkit 2」を追加することでさらに最大64トラックへと拡張可能。より大規模なミックス制作が必要なユーザーはPro Tools LEのみに対応する新製品「Complete Production Toolkit」により最大128トラック、かつ7.1chサラウンド・ミキシングに対応する。動作環境はWindows Vista/XPおよびMac OS X 10.5。