矢野経済研究所はこのほど、靴・履物市場動向に関する調査を実施しその結果を発表した。調査は今年6月から8月にかけて、靴・履物および靴関連資材取扱いメーカー、卸、小売業者などを対象に面談やヒアリングで実施された。
調査によると、2007年度の市場規模(小売ベース)は前年度比101.6%の1兆4,470億円。種類別では紳士靴とスポーツシューズ市場は好調だったが、婦人靴は苦戦が見られた。紳士靴市場はクールビズ効果でファッション性やこだわりを追求する男性が増加したことから、安定した市場として推移したと見られる。一方婦人靴は残暑の長引きにより秋冬物の出足の売れ行きが振るわなかったことや、ブーツの不振とショートタイプのブーティーの流行により販売単価が低下したことが影響していると見られる。
特に好調だったのはウォーキングシューズ市場で、いわゆるメタボ健診の導入により運動を行う人が増加傾向にある状況を反映していると思われる。本格的にウォーキングを行うヘビーユーザーに加え、「団塊の世代」のリタイア後の余暇の過ごし方である旅行や街歩きにウォーキングシューズを使用する消費者が拡大しており、それに合わせた商品を各社が投入していることも好調の要因ではないかと同研究所では分析している。