「情報大航海プロジェクト」ブース

デジタルネットワークステージで一際賑わっていたのが、ビジネス&ソサエティー ゾーンに出展していた「情報大航海プロジェクト」のブースだ。この「情報大航海プロジェクト」は経済産業省主導のプロジェクトで、現在のパソコンによるホームページ内のテキスト中心の情報検索だけではなく、個人の生活やビジネスなど、あらゆる局面で必要なときに必要な情報を解析できる情報基盤(プラットフォーム)を実現することを掲げている。将来の情報経済社会におけるイノベーション創出環境を確立することが目的だ。また、情報大航海プロジェクトの大原則として、下記の3要素が挙げられる。

  1. ユーザー主導
  2. 開発を主導していくのは、「次世代検索・解析技術」を利用した実験・実証事業を、自らが展開することを目指している民間企業となります。それら技術の開発と実装化を同時並行的に行なっていくことが可能となり、開発する技術の実用度が高まることを期待します。
  3. グローバルな貢献
  4. 「次世代検索・解析技術」の開発に当たっては、日本のみでしか通用しないローカルスタンダードなものではなく、国際標準化にも合わせて取り組みます。デジュールスタンダード(国際機関による標準)、デファクトスタンダード(事実上の標準)の双方を視野に入れて戦略的な技術展開を目指すとともに、グローバルな貢献を果たすことを期待します。
  5. オープン化
  6. 開発した「次世代検索・解析技術」のうち、基盤的な部分については、オープン化していきます。開発された技術が広く世界で貢献し、世界各国との切磋琢磨によりわが国の情報産業競争力強化に資することを期待します。

マッシュアップして産み出された新たなサービスも!

「Green RSS Japan」

情報大航海プロジェクトブースでいくつか気になった展示を紹介しよう。まずは、たびたび話題に上る京都議定書などに関連し、今の時流をしっかり見据えたエコロジー情報Webサイト「Green RSS Japan」だ。「Green RSS Japan」では、RSSフィードなどの既知のテクノロジーを利用して「エコロジー」に関する情報を得ることができるもので、エコロジーに関する動画や各自治体のエコロジーに関連する情報を抽出・網羅し表示するもの。まだ実験段階ではあるが、一般ユーザーでもアクセスすることが可能なので、一度触れてみてはいかがだろうか。

視覚でユーザーの感性に訴える情報アウトプット

「Green RSS Japan」

他にも興味深いテクノロジーが展示されていた。まず視覚的に飛び込んできたのは「Viewサーチ北海道」。こちらも「Green RSS Japan」と同様にすでにベータ版がリリースされており、一風変わったユーザーインタフェースを体感することが可能だ。

特徴として、平面ではなく立体的な見せ方にトライしており、リッチコンテンツとしての先鞭をつけている。また、カウンセリングを行うように対話しながら検索条件を絞り込んでいく、ラダリング型検索サービス「ラダサーチ」などが来場者の足を止め注目を浴びていた。

情報が「量」から「質」へと変遷していくなか、それを先んじるべく発足した「情報大航海プロジェクト」。そこで研究されている技術は、情報通信研究機構(NICT)と通じる部分があり、今後も日本の情報通信技術を牽引していく両輪となって活躍してくれることだろう。