野村総合研究所は7日、2007年度における全国約18万の町丁目ごとの所得額、並びに金融資産保有額の推計を発表した。推計方法は同社独自のモデル形式を作成して実施したという。これによると、主要私鉄沿線別では京王井の頭線沿線が1世帯当たりの所得額と金融資産保有額ともに最も多いことが明らかになった。

世帯当たり年間所得・上位10路線 野村総合研究所提供

世帯当たり金融資産・上位10路線 野村総合研究所提供

1世帯当たりの所得をみると、1位は京王井の頭線の709万円、続いて2位は東急東横線の700万円、3位は東急目黒線の689万円となり、上位に高級住宅地として人気の高い路線が顔をそろえる結果となった。次に1世帯当たりの金融資産をみた場合、所得と同様に1位は京王井の頭線の3,321万円となり、以下2位に東急大井町線の3,242万円、3位に東急池上線の3,221万円と続いた。

また、世帯当たり所得ランキング上位と金融資産ランキング上位の比較をしたところ、所得上位の地域は生産年齢人口や雇用者の比率が高く働き盛りであるほか、金融保険業や不動産業、情報通信業など比較的所得水準が高いといわれる職業従事者の比率が高いことが判明したという。その一方、金融資産上位地域では高齢人口が多く、同一住居への居住年数20年以上の人口比率や持ち家比率、一戸建比率などが高いことが明らかになった。この理由には、資産形成を遅らせる要因となる養育費やローン返済などが取り払われた人が多いことが考えられるという。

所得水準の高い地域と金融資産水準の高い地域の比較 野村総合研究所提供