NPD Groupによると、Appleの「iPhone 3G」が米国における携帯電話端末の売上げでMotorolaの「RAZR V3」に次ぐ2位に浮上した。また英投資家が独自にiPhone 3G購入者から集めたのIMEI番号情報から、iPhoneが年内に1000万台を突破する可能性が明らかになった。
NPD GroupがリリースしたiPhone 3G Reportによると、2008年1月から5月の米スマートフォン市場における初代iPhoneのセールスシェアが11%だったのに対し、iPhone 3Gを加えた1月から8月までのシェアは17%になる。NPD Groupの産業分析ディレクターであるRoss Rubin氏は「iPhoneシリーズは共にAT&Tのユーザー増に貢献したが、高速なiPhone 3Gはすでに3Gネットワークを利用していたユーザーに強くアピールした」と指摘する。2008年6月から8月の米国におけるiPhone 3G購入者の30%がAT&T以外のキャリアからの乗り換えだった。内訳はVerizon Wirelessからが47%、T-Mobileからが24%、Sprintからが19%。Verizonからの乗り換えが半数近いことは、データサービスを重視するユーザーの多さを意味する。同期間の米コンシューマ向けスマートフォンのモデル別販売ランキングは以下の通り。
- Apple iPhone 3G
- RIM Blackberry Curve
- RIM Blackberry Pearl
- Palm Centro
スマートフォンの平均販売価格は前年同期の236ドルから174ドルに26%下落した。
2008年前半はiPhoneの一人勝ちと呼べるような状態だったが、Rubin氏は「より低価格で入手できるiPhone 3Gの発売は米国のスマートフォン市場全体の成長につながった」と述べる。1月から7月に、米国のコンシューマ向けスマートフォンの売上げが900万台を突破。これは前年同期比84%増だ。携帯電話全体の売上高が減少した中で、スマートフォンの売上高は71%増となり、17億ドル近くに達した。携帯電話全体におけるスマートフォンの割合は9%から19%に増加。ベンダー別の販売台数ランキングは1位RIM、2位Apple、3位Palm、4位Samsung、5位Motorola。RIMとPalmも、それぞれ24%と9%の伸びを記録した。
iPhone 3Gの販売台数については、英国の投資家による独自調査データが話題になっている。投資家はTommo_UKというIDを使って、今年8月にMac ObserverのフォーラムでiPhone 3G購入者に対して購入日とIMEI番号を知らせるように呼びかけた。これはiPhoneの生産・販売ペースの実情を把握するのが狙いだった。最新の情報では9月29日に出荷された9190680番目のiPhone 3Gが10月4日に購入されている。このデータが様々なところで分析されており、今年第3四半期にiPhone 3Gがアナリストの予測を上回るペースで売れ続けていた可能性が指摘されている。また不良品や在庫などを勘案しても、2007年1月のiPhone発表時にAppleが目標として掲げた「2008年に1000万台突破」を実現できる見通しが濃厚だという。