最近、マスコットキャラクターが脚光を浴びている。"生誕"以来何かと話題を振りまき抜群の存在感と知名度を誇る「せんとくん」や、"ゆるキャラ"の代表格である「ひこにゃん」はその最たる例といえよう。この"両者"に共通しているのは、どちらも行政もしくは自治体の使用するキャラクターであるということ。最近は行政によるキャラクターの使用がはやっているのだろうか。というわけで、東京都ではキャラクターが使用されているのかどうかを調べてみた。

まず東京都の広報に確認したところ、東京都全体としてのキャラクターはやはり存在していないことがわかった。だが、独自にキャラクターを設定して使用している部局は幾つかあるという。そこでその幾つかを紹介してもらい、各局に問い合わせてみた。その結果、把握できたキャラクターは以下の通り。

タックス・タクちゃん(主税局)

10年以上前から税金に親しみを持ってもらおうとの意図でポスターやチラシなどに使用しているが、ネーミングの由来や作成の背景や時期はわからないとのこと。

タックス・タクちゃん

アースくん(下水道局)

局内の公募によって2000年に誕生したキャラクター。名称は都庁内での公募により決まった。水環境を守ることで地球を守っているという下水道の役割を地球の形でイメージしている。帽子のような物は、下水道のマンホールのふた。

アースくん

水滴くん・水玉ちゃん(水道局)

どこからどう見ても、その名の通り水滴をイメージしたキャラクター。1990年に局内で作成され、主にWEBページや子ども向けの学習資料などに使用されている。「本籍:雲の上、出生地:笠取山山頂付近」など細かいプロフィール設定がなされ、「少しきちょうめんでちょっとおせっかいやき」といった性格設定までなされている。

水滴くん

水玉ちゃん

けんちゃん・せっちゃん(建設局)

モグラをモチーフにしたキャラクター。けんちゃんは男性で、せっちゃんは女性。局内で作成され、15年ほど前のWEBページ開設時からWEB上で使用している。

けんちゃん・せっちゃん

みんくる(交通局)

都バス75周年を記念して一般公募から選ばれたキャラクター。都バスの前部をイメージし、東京都の「T」をデザインに加えている。名前の由来は「みんなのくるま」から。

このほかにもキャラクターがいるとの情報もあったが、幾つかの部局からは「昔はいたが今は使用していない」「以前に作成したキャラクターがいたようだが、今は誰もわからなくなってしまった」といった答えが返ってきてしまった。

だが、局の中でさらに部署ごとにキャラクターを使用している例もあるとの情報もあり、今回の調査では東京都のキャラクター使用の全容を把握するまでには至らなかった。行政キャラクターの世界は奥が深そうだ。