東芝 執行役常務 PC&ネットワーク社 副社長 真田勉氏

東芝のPC&ネットワーク社 真田勉副社長は、東芝のノートPCが、高品質技術と環境調和技術による差異化に力を入れていることを示しながら、「PCを利用することで、驚きと感動を伝えたい」と切り出した。

とくに、プレミアムコンパクトノートとして投入したdynabook NXを紹介。「RXシリーズで培ったノウハウを活用して開発した製品。また、デザインやカラーだけでなく、環境の観点でもワールドワイドの基準をクリアした製品であり、すべてにおいてワンランク上のレベルを実現した。所有する喜びや持って出かけたくなる製品」と語った。また、先ごろ発表したばかりのネットブックであるNB100にも触れ、ATOMを利用したことでの高い省電力パフォーマンスを達成し、2台目需要も喚起するとした。

さらに、今後の同社モバイルPCの方向性として、10分間でフル充電の90%まで充電が可能な急速充電池や、WiMAXや3G、無線LANを利用できるマルチバンドアンテナの実装、燃料電池およびフラッシュメモリドライブなどの差異化技術の結集により、次世代モバイルを実現するとした。

「高品質技術と環境調和技術で驚きと感動を与える」(真田氏)

東芝は急速充電池などの差異化技術で次世代モバイルをリードする

ネットブックのNB100をはじめとするモバイルPCのラインアップ

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 事業部長 高木俊幸氏

パナソニックのAVCネットワークス社ITプロダクツ事業部・高木俊幸事業部長は、パナソニックは、軽量/長時間駆動を実現したビジネスモバイルPCである「Let's note」と、頑丈(タフ)を追求したフィールドモバイルの「TOUGHBOOK」の2つの商品カテゴリーを持っていることを示し、「パナソニックは、モバイルPC事業に特化してきた。また、過去12年間に渡り、お客様の声を聞きながら、それを反映した商品開発で成長してきた」とした。最新モデルであるLet's note Fシリーズでは、オフィス内モバイルという新たなワークスタイルを提案するPCと位置づけ、「ハンドルを取り付けたことで、大画面、高性能を実現しながら、ポータビリティの飛躍的な向上を実現し、新たなモバイルスタイルを創出することができる」とした。

さらに、ヘルスケア市場向けの医療現場用PCの開発計画についても紹介。「アルコールで筐体を拭いたり、院内感染を防ぐためファンレスが必須であるといった、医療現場特有の要求仕様にも対応できるように改良を加えてきた。特化することで、フィールドの生産性向上に貢献することが当社のビジネスの基本的考え方」と語った。また、高木本部長は、「今後、モバイルPCを取り巻く環境は、ワイヤレス通信の広帯域化、高速化が進展し、OSもCPUも進化する。New Mobile Leaderをキーワードに、これからもモバイルユースを進化させ、お客様のビジネスに貢献していく」とまとめた。

パナソニックのモバイルPC事業の製品カテゴリ

過去12年間のモバイルPCの進化

今後想定されるワイヤレス通信環境などの変化

富士通 経営執行役 パーソナルビジネス本部長 五十嵐一浩氏

富士通パーソナルビジネス本部・五十嵐一浩本部長は、「モバイルでの利用は多様化しており、携帯電話、スマートフォン、ウルトラモバイルPCなど、それぞれのライフスタイルにあわせ、最適な形で進化、浸透してきている。富士通のPCは、最先端テクノロジの採用のほか、デザイン、サポート、使いやすさ、安心/安全、メイド・イン・ジャパンによるクオリティといった6つの要素で、モバイルユースからリビングユースまで幅広い提案を行える。FOMA F1100やLOOXによって、いつでもどこでも本格的に使いこなすことができる製品を提供しているが、その一方で、らくらくPCという観点で、誰もが安心して使えるFMVも実現していく。PCの使い方が難しい、気軽に使えないという人が多いなかで、シンプルでわかりやすく、使いやすいものを実現する商品。モバイルPCでも近々実現できる」と語った。

富士通のPC事業における基本コンセプト

富士通のモバイルラインアップ

さらに、「富士通のモバイルコンピューティングは、シンクロナイズ、リアルタイム、エージェントという3つの進化に取り組む」とし、その様子をビデオ映像で紹介。携帯電話をの目標の対象物に向けるだけで情報を表示するといった近未来の様子をみせた。

富士通が重視する3つの機能

未来のエージェント機能。対象物にかざせば情報を表示する

スーパーの店頭ではこんな使い方もできるようになる

マイクロソフト 執行役 常務 コンシューマー&オンライン事業部コンシューマー&オンライン マーケティング 統括本部長 笹本裕氏

マイクロソフトのコンシューマー&オンライン事業部コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部・笹本裕本部長は、「マイクロソフトは、ソフトとサービスを提供する企業。このほど新たにフォトシェアリングを提供する。携帯電話で撮影した映像を、そのままウェブクラウドにアップロードし、いつでも、どこでもいろいろな人と共有できるようなサービス。人とのつながりや、シェア(共有)を実現するもの」として、その機能を説明した。

マイクロソフトが提供するフォトシェアリングの仕組み

また、PCメーカーや周辺機器メーカー、ソフトメーカー、コンテンツプロバイダー、放送局、販売店などが参加するWDLC(ウィンドウズデジタルライフスタイルコンソーシアム)の活動内容にも触れ、「設立当初は48社でスタートしたが、現在では82社が参加している。コンテンツホルダーの参加が増えており、新たな力が加わってきていることを感じる。今年秋には"PC de 旅"をテーマに、デバイス間をシームレスにコネクティングする環境を提供し、パートナーと一緒に市場を盛り上げていきたい」とした。

WDLCの参加企業は82社に達した

今年秋は「PC de 旅」をテーマに共同キャンペーンを行う

その後、いくつかのテーマについて各社からコメントがあった。

ネットブックについては、インテル・吉田社長が、「ビデオ編集作業といったクリエイティビティや、企業の生産性を向上させるという点では、Centrino2や次期プラットフォームのNehalemが必要となる。ネットブックは、まっくた別のものであり、そうした作業を行うには、メモリや機能が足りない。ただし、PCの環境において、インターネットを楽しむ、しかも、それをお手頃な価格で手に入れることができるのがネットブック。小型、軽量で、ポケットに入れて持ち運ぶこともでき、インターネットを活用したPC利用の裾野を広げる役割を果たす」と位置づけた。

また、モバイルPCに欠かすことができないバッテリーについては、東芝の真田副社長が回答。「PCに搭載しているバッテリーの状況を考えると、どうしてもACアダプターが必要であり、まだコードレスにはなっていない。リチウムイオンバッテリーの長時間化に向けた技術革新の一方で、PCそのものの省電力化の取り組みも必要。また、急速充電を可能とすれば、10分間の休憩時間に充電することができ、これも解決策になる。また、ACアダプターが利用できない環境では燃料電池の活用も考えられる。ただし、ここにはまだまだ技術的に解決しなくてはならない課題がある。だが、なんと来年以降には提案したい」などとした。