9月20日、東京・虎ノ門にて、TVアニメ『紅』のファンイベントが行われた。今回のイベントは同タイトルのDVD第3巻の発売を記念したもので、九鳳院紫役の悠木碧と崩月夕乃役の新谷良子が登場し、DVD第3巻に収録されている第5話、第6話を中心とした収録時の裏話やサイコロトーク、ファンからの質問に答えるなど、盛りだくさんの内容が繰り広げられた。

9月17日に発売されたDVD第3巻。ジャケットは、新谷良子演じる崩月夕乃がメインとなっている

イベントの最初は、DVD第3巻発売記念ということで、第5話「望み」と第6話「貴方の頭上に光が輝くでしょう」を振り返るトークコーナーが行われた。新谷は「夕乃に関しては、ふだんあまり出さないシリアスな部分がようやく出せた回でした。あの回がなかったら夕乃って何だったんだろうっていうくらい不思議な言動ばかりでしたから」と第5話を振り返り、真九郎が帰り際に"好きですよ"と言ったことに対しては、「あれはずるいですよね。あれを言われたら絶対に誰でも誤解しちゃいます」(新谷)、「ときめきますよね」(悠木)とそれぞれの感想を述べた。

悠木碧

一方、第6話については、「あれはちょっとないんじゃないの」と憤慨する新谷。歌うシーンについて、悠木が「すごい緊張しました。みんなすごい歌が上手だから」と語ると、「……上手かったよね、みんな」と新谷はため息交じりで返答した。

悠木「新谷さんはすごいですよね」
新谷「それは喜んでいいのかな」
悠木「上手な人じゃないと外せないじゃないですか」
新谷「いや、それはどうかな……。(爆笑する観客に向かって)そこ笑うところじゃないから……」

「新谷さんはすごかったと思います。いろんな意味で……」と悠木が語る第6話については、あらためてDVD第3巻で確認してみてほしい。


新谷良子

続いては、松尾衡監督をテーマにしたトーク。松尾監督の第一印象について、

悠木「監督はすごく怖い方でしたよね。最初は」
新谷「まず、見た目が怖いからねえ……」
悠木「そんなこといわないであげてください」
新谷「まず見た目がね……」
悠木「そんなことをいったら新谷さん殺されちゃいますよ(笑)」
新谷「それは物理的に殺されるのかな? それとも権力的な意味で?」
司会「そこまで強くないと思いますよ……」
悠木「視線で殺される感じで」
新谷「あ、目がね。たしかに目力はあるかもしれない」

続いては、とある方からのビデオレター。「もしや(沢城)みゆきちゃんかな?」(新谷)などとの予想とはちがい、話題の松尾監督が登場した。しかしビデオの内容は、「あおちゃん(悠木のこと)元気! また会いましょうね。ばいばい。あ、新谷はいいや」といった非常に短いもので、「え、これ意味ありました?」と呆然とする新谷。「こんなのあおちゃんにメールすればいいじゃないですか」(新谷)、「監督の顔を皆さんにお見せしたいなってのもありまして……。何回録ってもこれしか言ってくれなかったんですよ」(司会)。

衝撃的なビデオレターに続いては、いわゆるサイコロトーク。サイコロには、「共演者・スタッフに一言」「レシピを覚えている料理」「7歳の頃の自分」「憧れの師匠」「ここだけの話」「『紅』でモノマネ」といったの6テーマが用意されていた。

最初にサイコロを振った悠木のテーマは「レシピを覚えている料理」。これは第5話で紫が「サバの味噌煮」のレシピを語るシーンが元ネタだが、悠木は先日作ったという「ベイクドポテト」のレシピを即興で語り、会場からは大きな拍手が起こった。続く新谷は「ここだけの話」ということで、松尾監督の悠木に対する溺愛っぷりを暴露。「私に対する顔とまったくちがう顔を見せる」とのことで、「本当に好きなんだなあ」と思ったそうだ。

サイコロを振る新谷。2人とも「『紅』でモノマネ」だけはいやで、モノマネが出ないように、本番前にしっかりと練習していたとのことだが……

レシピの話から、悠木の手作りというケーキをあしらったブレスレットの話題に。「こうやってつけていると変身できそうじゃないですか(笑)」(悠木)

そのあと、司会者からスタッフならではの「ここだけの話」としてCM制作の裏話が披露された。そして、最後となった新谷は、会場の空気を読んで(?)、見事「『紅』でモノマネ』。「最後の最後で出た事実にびっくり」(新谷)といいながら、コスチュームデザインの藤純さんのモノマネを披露してくれた。

観客からの質問に答えるコーナーで、「声優を目指したきっかけは?」という質問に対して悠木は「アニメがすっごい好きだったんです」と回答。そして、『紅』の現場には、新谷をはじめ、自分が好きだったキャラクターの声を演じていた声優がたくさんいたことを話したが、「すごいうれしかったんですが、一緒にお仕事をさせていただくことになり、よりいっそう収録に集中できました」(悠木)。

また、「『紅』をやる前とやった後で変わったことはありますか?」という質問に対しては、「本当にすべてが変わったと思います。日常ってこんなに幸せなんだとか、平和って素敵だなとか、演じるキャラクターを大事にしてあげたいなって、よりいっそう思わせてくれる作品になりました」と悠木が答えると、新谷も「『紅』って、どれだけ日常のちょっとしたことが、実は素敵かということを、あらためて感じさせてくれるような作品で、ちょっとしたことでもうれしくなる、"よかった探し"になるような作品だなと思いました」と作品に対する印象を語った。

イベントの最後はじゃんけん大会。プレゼントには、サイン入りの台本やポスターなどが用意された。全員に勝ってしまい、じゃんけんがやりなおしとなった悠木は「すいません。空気が読めなくて……」

DVD『紅』第3巻のストーリー

■第5話「望み」
日曜日。仕事で不覚をとってしまった真九郎は、未熟な自分を鍛え直してもらうため、紫を連れて崩月家へ向かう。真九郎が夕乃と稽古をしている間、夕乃の妹・散鶴と遊ぶ紫だが、誤って散鶴の人形を壊してしまう。壊れた人形をどうにかしようと、真九郎のところへ急ぐ紫。しかし、真九郎の鬼気迫る稽古姿に圧倒されて、思わず見つめ続けてしまう。真剣な眼差しで稽古する真九郎の求める本当の強さとは……? そして五月雨荘に戻ると……!!

■第6話「貴方の頭上に光が輝くでしょう」
地元の祭で行われるミュージカルに、ボランティアで出演してほしいと頼まれる五月雨荘の住人たち。真九郎が断り続けるものの、環たちが強引に出演を決めてしまう。しかもそのミュージカルのヒロインに、なんと闇絵が大抜擢される! 真九郎は、大きな不安を抱えながらも、仕方なく練習を始める。しかし、その練習の中で、闇絵がすさまじい音痴だということが発覚。いらつく紫と環をよそに、どうにかしなければと悩む真九郎は、夕乃に代役を頼むのだが……?
タイトル 紅 VOL.3
収録内容 第五話「望み」 / 第六話「貴方の頭上に光が輝くでしょう」(2話収録)
発売日 2008年9月17日 (発売中) 品番 PCBG-51184
価格 4,935円
発売元 / 販売元 ポニーキャニオン
(C) 片山憲太郎・山本ヤマト / 集英社・「紅」製作委員会