イー・モバイルとイー・アクセス6日、次世代の移動通信システム「LTE(Long Term Evolution)」の導入に向けて実験試験局免許を総務省に申請したと発表した。12月下旬から東京で実験を行い、2011年前半にはLTEの導入を目指すとしている。
申請された実験は、東京都港区新橋に実験局を設置。電波伝搬、スループット、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)の伝送性能評価、VoIP/ストリーミング/オンラインゲームなどのアプリケーション評価、マルチセル・マルチユーザー試験などをフィールド環境で実施。セル設計手法や設備投資効率に関する検討・評価も実施する予定だ。
実験期間は12月下旬から翌年5月31日までで、新橋に続いて同虎ノ門、芝エリアに順次基地局を3局設置していく予定だ。
LTEは、現行の3G携帯電話の通信システムであるW-CDMAと、その高速データ通信規格HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)の次世代システムとして開発が進められる通信規格。3.9Gと呼ばれ、下り通信速度100Mbps以上を実現することが想定されている。
LTE自体は10年の導入をめどに、携帯電話事業者が導入に向けた検討を続けている。NTTドコモではすでに07年7月から屋内実験を開始。今年3月には約250Mbpsという高速な伝送速度を実現。ソフトバンクモバイルも今年2月に屋内実験で約150Mbpsの速度を達成している。CDMA2000陣営のKDDIも、次世代通信にはLTEを導入する意向だ。
イー・モバイルによれば、都心エリアで行われるLTE屋外実証実験としては、今回の実験が最初になると言う。