これからの仮想空間技術に一石を投じるかもしれないサーバソフトウェアがCEATEC JAPAN 2008に出展されていた。3Dインターネットソリューションの開発・提供を行う3Diは、世界中の技術者によって開発が進められている「OpenSim」をベースにした商用向けの3D仮想空間サーバソフトウェア「3Di OpenSim」Standardを出展、数多くの来場客から注目を浴びていた。
この「3Di OpenSim」の特徴は、仮想空間を自社サーバで自由に構築することが可能なうえに、オリジナルな世界観を表現することができる点にある。また、ユーザーごとの行動軌跡や、ユーザーが集中するエリアなどをログとして取り出せ、マーケティングに活用できる点も見逃せない。
そんな使い方にニーズが!?
筆者が取材を行っていて疑問に思ったのが、そのビジネス活用例にある。子供向けの体感型オンライン教育サービスは、対象もハッキリしておりゲーム感覚で進められるため親和性も高いだろう。
次に、不動産。自宅のPCからバーチャルショールームを自由に見て回ることができる、といった活用方法だが、実用性、現実性の面からももっとも実用化が速そうだと感じた。
筆者が個人的に「これ、何に使うのだろう?」と考えていた活用方法が、実は一番ニーズが高いのだとか。そう話してくださったのは3Di株式会社の津島さん。「仮想空間でのネットミーティングは、現在高い注目を集めています。全国に支店を持つ企業様、世界各国に支社のある企業様の場合は現実的に一箇所に集まってミーティングを行うのは時間もコストも掛かります。また、アバターとして会議に参加するため、普段は言い辛いことも言い易くなる、なんてメリットもあるようです」と伺い、ふむ、なるほどと合点がいった。
仮想空間内社内ミーティング風景
Webサイトとのシームレスな連携はもちろん、様々なカタチで応用の可能な「3Di OpenSim」。「セカンドライフ」ではセカンドライフの仮想空間内に各社が仮想空間パビリオンを構築していたが、この「3Di OpenSim」を活用することで自社のイメージにもっとも適したオリジナルの世界観を表現できる。仮想空間への参入障壁を崩す、画期的な商品といえるだろう。願わくば、開発コスト等でも参入障壁を崩すブレイクスルーにも、期待したいところだ。