DLNAという言葉を聞いて、その意味がわかる人もまだ少ないかもしれない。DLNAとは、「Digital Living Network Alliance」の略で、ホームネットワークでデジタルAV機器同士やパソコンを相互に接続し、動画や音楽などのデータを相互利用する仕様を策定するために設立された団体である。CEATEC会場では、DLNAのブースが設置され、様々なDLNA対応機器の展示と実際に対応機器を複数接続し、コンテンツをダウンロードしたり、再生するデモが行われていた。
DLNAに対応する機器をネットワークで接続することで、以下のようなことができるようになる。
- PCに保存してある音楽データをオーディオシステムで聴く
- 別な部屋にあるPCに保存してある動画コンテンツをリビングのテレビで見る
- ハードディスクレコーダの動画コンテンツを別の部屋のPCで見る
- PCに保存してある写真をリビングのテレビで見る
- ハードディスクレコーダの動画コンテンツを別の部屋のテレビで見る
DLNAでは、DTCP-IP(Digital Content Protection over Internet Porotocol)というプロトコルが採用される。これは、コンテンツの不正コピー、不正な取り出し、改竄の防止を行う。結果、録画した地デジ番組なども家庭内で自由に配信が可能となるのである。現在では、最新のDLNA 1.5に対応した機器も多くなっている。
DLNAの今後について、CEATEC 2008でMediaServer 2.0(コンテンツのネットワークサーバー)、SoftDMA 2.0(ネットワークを介すマルチメディアプレーヤ)を発表したサイバーリンクの馬場規隆氏は、次のように語った。「現在は、家庭内のネットワークでの共有ですが、今後はインターネットを経由したコンテンツのやりとり、さらには携帯端末などへのデータ同期などの機能を実現していきたい。また、PC、ハードディスクレコーダなどには、コンテンツの蓄積が増え続けます。それらの管理・検索などがよりスムーズに行われるようにコンテンツアグリーメントの機能を充実させたい」と語る。
図は動画管理の様子。ファイルの種類や再生時間、サムネイルなどの情報が見やすく表示されている |
MediaServer 2.0側の設定画面の一例。こちらもシンプルな画面で、共有するデータの設定などができる |
サイバーリンクでは、PCで保存するコンテンツをインターネット経由で視聴できるCyberLink Liveをすでに発表している。社長の尾藤伸一氏は「コンテンツの視聴、作成、共有が可能となるソリューションの提供とともに、"Connected Digital Lifestyle"を普及させていきたい。具体的には、こんなことができるのか、見てわかる技術を積極的に開発する」とのことである。