来年1月17日に公開される映画『感染列島』の製作報告会見が2日、都内で行われ、妻夫木聡、檀れい、藤竜也、国仲涼子、ダンテ・カーヴァー、瀬々敬久監督らが出席。記者とともに世界でも類を見ない仮想パンデミック(感染爆発)防護服を着用して会見に臨んだ。

今年のカンヌ映画祭で、世界各国の映画関係者に衝撃を与えたウィルス・パニック・ムービー『感染列島』。映画祭当時は作品の企画概要を英訳した簡易なチラシ一枚しかなかったが、その衝撃的なストーリーが話題となり、20数カ国に及ぶ配給オファー、そしてハリウッドメジャーがリメイクに意欲を示すなど作品完成前にもかかわらず異例の事態となった。

(C)2009 映画『感染列島』製作委員会

物語の舞台は2011年の日本。救命救急医の松岡剛(妻夫木)の勤務する病院に、一人の急患が運び込まれてきた。だが、その患者は多臓器不全で人類が未だかつて遭遇したことのない感染症状により死亡。WHO(世界保健機関)のメディカル・オフィサーである小林栄子(檀)と松岡は感染拡大を防ごうと奮闘するが、新型ウィルスは未曾有の感染拡大を巻き起こして日本全土を襲うのだった…。

未知なるウィルスと戦うガムシャラな救命救急医の松岡剛役を熱演した妻夫木は「何が起こるかわからない現在、この映画は他人事ではないと感じましたし、その中で自分はどう生きていけるのかと、僕自身この作品を通して考えさせられました」とコメント。初共演の檀については「女性の強さと人間の弱さを表現しなくてはいけない難しい役柄を上手に演じられ、一緒に芝居していて凄く気持ち良かったし、相手役が檀さんで本当に良かったです」とベタ褒めした。

「今回のロケ地は新潟で、3月から撮影しました。今年は新潟という土地に縁がありますね」と語った主演の妻夫木

撮影中に着た防護服について「マスクがきつく、折角メイクをして頂いたのにマスクの中は汗でメイクがグチャグチャでした」と語った檀

そんな妻夫木に褒められた檀は、妻夫木演じる松岡剛の元恋人でWHOのメディカル・オフィサーとして松岡の勤務病院に派遣される小林栄子を演じる。「撮影に入るにあたり、WHOの資料を見たり、実際に現場の話を伺ったりしました。命をつないでいきたいという思いは、人の命を預かる人間の一人一人が持っているんだなと痛感しました。共演した妻夫木さんは本当に大きく受け止めてくださり、妻夫木さんの懐の中で一生懸命やらせて頂きました」と語った。

また、本作で銀幕デビューを果たしたダンテ・カーヴァーが「気持ちは色々と複雑でしたが、緊張したり興奮したりといい経験をさせて頂きました。犬のお父さんからは『お兄ちゃん頑張って!』と言われました(笑)」とコメントして会場を沸かせた。

看護師役が多い国仲は「今回は専門用語などがたくさんあり苦労しました。台本の裏に書くなど撮影中はバッチシでしたが、今はキレイさっぱり忘れました(笑)」

会見場で着用した防護服について聞かれ「ちょっと暑いです。(ロケ地の)フィリピンが恋しいですね」とダンテ

「ロケ地のフィリピンで妻夫木さんとダンテさんの3人で楽しかったですよ~」と語った藤は、鳥インフルエンザウィルス研究の第一人者の大学教授役を演じる

「ロケ地は新潟の旧市民病院。実際にそこは病院だったので、作品は非常に臨場感が出ています」と自信をのぞかせる瀬々敬久監督

「将来起こり得る脅威に対して警笛を鳴らすことができればと思います。極限状態にいる登場人物たちの姿を是非ご覧になって下さい」と語る平野隆プロデューサー

報道陣、スタッフ全員が防護服を着用した

『感染列島』は2009年1月17日より全国東宝系ロードショー。