MSが持つサービスを繋げて新たな価値を創出していく

基調講演やプレスツアーの内容を聞いていると、もっと"簡単"に"いつでも"繋がることで"楽しく"と"便利"を体験してもらうというイメージは伝わってくるのだが、具体例としては、どれも「これは!!」と叫びたくなるような発表かと言えば……残念ながらそうではない。そこは、堂山氏も基調講演後の取材で「確かに一つひとつは目新しいものではないかもしれない」と言いながらも、「マイクロソフトには、本当に優れた技術も、他社に負けないサービスもたくさんあるのに、それが今までは独立していた。一部には早すぎたということもあっただろう。社内のサービス同士が互いに繋がることで、新たな価値がもっと出てくるし、そうなっていかなければ、ユーザーにとっても、自分たちにとってももったいないこと。Windowsブランドを軸に見直し、そこの土台をまずは作ることが現時点での試みだと思っている」とコメントを返している。

また、ブルックス氏にもいくつか質問を投げかけてみた。

――コンシューマー市場の強化と言うとエンタープライズは?
エンタープライズをないがしろにするという意味では全くない。そこは今までと同じレベルでもちろんやっていくが、コンシューマーにも同じように力を入れていくということだ。

――むしろコンシューマーとかエンタープライズというカテゴリ分けではなく、単純に顧客視点ということではないのか?
そのとおりだ。すべてのユーザーのニーズに応えられるソリューションをWindows プラットフォームだからこそ提供できると考えている。

――米国でのメディアコンテンツとの連携で好例なものは?
「blockbuster」などと一緒にやっているものがいくつかあるが、やはり大きくは今後展開していく段階にある。

――今日行ったデモなどはスマートフォンの普及があってこその実現ではないのか?
そこは決め手になる重要な問題だと思っているし、どう展開していくかを慎重にやっていく必要があるというのも理解している。   といったところで、筆者はこの段階で、マイクロソフトが実現したいとする「壁のない世界」が、まだはっきりと見えてこなかった。「Windowsでマジックを起こす」「Windowsプラットフォームで"壁をぶっ壊す"」という気持ちは理解できたが、Windows=PC用OSをあらため、Windows=Everythingというイメージをもっと沸かせるには、パンチが効いた具体例が少ないような気がして仕方がない。パーツの話はあっても、全体がまだ繋がった話にはなっていないのではないか。何となくもやもやしたままなので、同社のある人物にインタビューを試みた。その様子はまた追ってレポートする。

一番わくわくしたのはコレ。昨年、発表された新インタフェース「Surface」の国内初お披露目。30型のタッチパネル式ディスプレイ上で、直感的な操作を実現する。こうしたMulti Touch技術に次世代インタフェースとして同社は注力しているという