ちょっと意外な気もするが、AMDは今回がCEATECに初出展(ただ買収前のATI時代には出展したことがある)。「AMD HD! エクスペリエンス」を前面に押し出しており、ブースでは様々なデモが行われていた。中には、さりげなく次世代モバイルGPUの動作デモも。

今回が初出展となるAMDのブース

展示機には「次世代モバイルGPU」とだけ書かれており、パネルなどでの説明は一切なかったのだが、これはRadeon HD 4000シリーズがベースになるものだという。現在、同社のモバイルGPUは「ATI Mobility Radeon HD 3000」世代であるので、これは「ATI Mobility Radeon HD 4000」シリーズになるのだろう。

次世代モバイルGPUの展示。開発用プラットフォームにささっている

よく見ると小さな基板(MXM?)が入っており、ここにGPUが搭載

シェーダ数など詳細な仕様は分からなかったが、消費電力については現行製品と同等の枠内に入るという。これを搭載するノートPCは年内にも登場する見込みだ。

また最近のGPU業界では、GPUをグラフィック描画以外の演算に使う「GPGPU」が熱いトピックとなっている。これについては、ライバルであるNVIDIAの方が先行している感があるが、ArcSoftがAMDへの対応を進めており、メディア再生ソフト「TotalMedia Theatre」でデモを行っていた。SD画質からHD画質へのアップスケール処理を行っており、GPGPU使用時にはCPU使用率が大幅に低下していることが確認できた。

GPGPUのデモ。上が不使用時、下が使用時

この時のCPU使用率。下の方が動作もスムーズだった

AMDブースで筆者が注目したいのは、RAON Digitalという韓国メーカーが開発した「Everun Note」というノートPC。7インチワイド画面(1,024×600)を搭載する、一見Netbookのような製品だが、もちろんCPUはAtomなどではない。これにはなんとTurion 64 X2が採用されているのだ。それでこのサイズなのだから驚き。

韓国RAON Digitalの「Everun Note」

底面。温度はちょっと高め

さすがに発熱は厳しいようで、動作クロックを1.2GHzにダウンクロックして使っている模様だが、それでもノートPC全体が暖かくなってしまっていた。メモリは1GB、HDDは60GB。チップセットはATI RS690Eというちょっと変わったものが搭載されていた。日本ではBRULEがこの製品を取り扱っており、価格は124,800円。

光学マウスをひっくり返したようなものが付いており、この上で指を滑らせてマウスを動かす

最後に新メガネの"兄貴"も披露しておこう。今までのメガネは壊れてしまったそうだ