デジタルカメラで撮影した画像の管理方法に撮影場所で分類する、というものがある。ソニーらが提供しているソリューションだが、GPSモジュールと組み合わせて、デジカメ画像にGPSの位置情報(ジオタグ)を埋め込み、地図上で画像を管理するというもの。
photokina 2008の会場では、ニコンがコンパクトデジカメにGPSを内蔵した「COOLPIX P6000」と、デジタル一眼レフに接続する「GP-1」を出展していたが、それ以外にもGPSソリューションを出展していたブースもある。
Geotateは、デジカメにGPSを内蔵したカメラを早くから発表していたメーカー。カメラメーカーではなくGPSソリューションベンダーであり、カメラはOEM/ODMメーカーに供給するイメージで今年のPMAにも出展していた。デジカメに関しては従来通りだが、PMAの時にはプロトタイプだったデジタル一眼レフ用のモジュールが製品化されていた。
それがJOBOの「PhotoGPS」。製品としてはニコンのGP-1と同様に、カメラのホットシューに取り付ける機器だ。従来のPhotoGPSからバージョンアップし、Geotateのソリューションを導入し、今回のphotokinaに合わせて発表されたもの。現地では11月下旬から、160ユーロで販売される。
JOBOのPhotoGPS。撮影時に直接画像にジオタグを書き込むのではなく、位置情報を内蔵メモリに記録しておく。付属のソフトウェアを使い、PC上でデータを書き込む仕組み。JPEGだけでなくRAWにも対応、XMPのサイドカーファイルにジオタグを書き込む |
Geotateのソリューションは、200ミリ秒という高速な測位時間と低消費電力な点。肝は、正確な測位を行わずに、同社のサーバーから送られる測位データとPC上で照合して正確な位置を割り出す方法を導入した点。ニコンのGPSユニットに対してGeotateのブース説明員は「とにかく速度が違う」と強調していた。
Geotateのブースでは新たに、デジカメだけでなくHDカムコーダーにGPSユニットを搭載したプロトタイプを公開していた。台湾のDXG Technologyと協業したもので同社のHDカムコーダー「DVH586」にGeotateのチップを内蔵。動画にも位置情報を記録できるようにした。Geotateによれば「世界初」とのことだ。
カメラとは別にGPSユニットを持ち歩き、撮影時間と位置情報の時間を照合してジオタグを埋め込む「PhotoFinder」を発売しているATPから、「PhotoFinder mini」も登場していた。名前の通り、サイズを小型化し、従来の60gから30gに半減。電池も、従来の乾電池から充電池に変更し、16時間以上の駆動時間を実現した。GPSチップはSiRF Star IIIで変わらないが、「アンテナを強化した」(ブースの説明員)とのことだ。
小型化にともない、従来のように直接カメラのメモリカードを指すのではなく、新たにドックを用意し、そこに位置情報記録済みのminiと画像撮影済みのメモリカードを挿入し、GPSデータをカード側に書き込む仕組みにした。ドックはSD/MMC/MS/CFをサポートし、USBケーブルでPCと接続してカードリーダー/ライターとしても利用できる。従来通り、PCを使わなくてもジオタグを書き込めるのが特徴だ。
2週間以内の発売予定で、価格は150ドル。日本での発売も予定しているという。