最近、「ちっちゃいノート」の種類が増えて、正直困っている。いや別に一般ユーザーが困ることはないのだが、PC系ライターが新しい「ちっちゃいノート」の紹介原稿を書く場合、それを「ネットブック」と呼べばいいのか「UMPC」(Ultra Mobile PC)と呼べばいいのか、あるいは単に「ミニノート」と呼ぶか、はたまた価格面から「ULCPC」(Ultra Low Cost PC)と呼ぶのか迷うのだ。それぞれ単語の定義はあるものの、製品によっては複数の定義に合うものもあって、どれか1つ「コレ!」と決めづらい状況である。
で、そんな時はどう解決するかというと、メーカーのニュースリリースを見て、そこに掲載されている単語を「参考にする」という手を使う。ということで、今回紹介する日本エイサーの「Aspire one」のニュースリリース(※PDFファイル)を確認すると、「Netbook」と書かれている。だから、「Aspire one」は"ネットブック"に決まり! 編集部から「コレはネットブックとは言えないのデワ?」とか突っ込まれても、「メーカーのリリースに書かれてるヨン」で回避できるというもの。やったね、オレ。
日本エイサーのネットブック「Aspire one」。CPUにAtom N270(1.60GHz)、OSにWindows XP Home(SP3)、ディスプレイに8.9インチ液晶を採用し、価格は5万4,800円。カラーバリエーションはシーシェルホワイトとサファイアブルーの2種類。今回のレビューではサファイアブルーの「AOA150-Bb」を試用した |
さて、その"ネットブック"であるが、一般的には「インターネット使用の目的に特化した、機能や性能を制限した小型ノートPC」とされている。Intelの定義によれば、Atom搭載、ディスプレイサイズは10インチ以下、OSはWindowsかLinuxといった条件が加わる。要するにアレだ、メールやネット閲覧に活用できる、小さく持ち運びやすい低価格Atom N搭載ノート、ってヤツだ。
読者のみなさんもご存知のとおり、「EeePC 901-X」や「Inspiron mini 9」といった、低価格のミニノートが人気である。筆者もここ数カ月で、それこそ何台も試用してきた。このAspire oneも、正直なトコロ、他の製品と変わらないんだろうなぁ~ぐらいの感覚で使ってみたが、その先入観は手にした瞬間間違いであることに気付かされた。
「う~ん、シブイ」
それが、手にしたときの第一印象である。言葉のチョイスに、我ながらオッサン臭さを感じますな。それはともかく、丸みを帯びたスタイリッシュなデザインに深みのあるブルー、そしてアクセントとなるオレンジのワンポイント。アップルやソニー製品のように洗練されずぎていない、ちょっと無骨感のあるボディ。好き嫌いは分かれると思うが、筆者としてはかなり好みのデザインである。
最近のノートPCはやたらカッコよかったりカワイイものが多いが、筆者はある種の「こっぱずかしさ」を感じていた。かといって、デザイン性皆無のノートを使うのも、マシンに愛着を感じられなくてイヤだ。その点、Aspire oneはその中間にうまく位置しているようにも思う。カッコよすぎずダサすぎない、マニア心をくすぐるデザインだ。その意味で、Aspire oneのデザインは、他のマシンと一線を画していると言えるだろう。