映画『三本木農業高校、馬術部~盲目の馬と少女の実話~』(10月4日より全国ロードショー)で、主演の長渕文音(あやね)をはじめ、馬術部員を演じた出演者4人が、23日、東京の馬事公苑で開催された「愛馬の日」のイベントに参加した。

(写真左から)馬術部員を演じた小林裕吉、森田彩華、長渕文音、奥村知史。タイトルにもなった「三本木農業高校」は青森県に実在しており、撮影は同校を中心におこなわれた

馬にまたがって颯爽と登場し、猛特訓の成果を披露する長渕。一方で手綱を持つ奥村は、馬に胸元を舐められてしまう一幕も

「愛馬の日」はJRAが主催し、やぶさめなど日本各地の伝統馬事芸能を紹介するイベントで、今年で40回目を数える。共演の奥村知史、森田彩華、小林裕吉とともにオープニングパレードに参加した長渕は、撮影中に猛特訓した馬術の腕前を発揮し、栗毛の馬を難なく乗りこなして場内を行進した。「撮影に入る8カ月くらい前から、この馬事公苑でもずっと馬術の練習を重ねてきました。私たち出演者にとっても、馬事公苑は思い入れの深い場所です」と、大勢の観客を前にしても臆することなく挨拶するその姿に、早くも大物の片鱗をのぞかせていた。

ミュージシャン・長渕剛の長女である長渕文音(20)が、映画初出演&初主演を果たすことで話題の『三本木農業高校、馬術部~盲目の馬と少女の実話~』は、『半落ち』『夕凪の街 桜の国』などの作品を手がけた佐々部清監督の最新作。実在する青森の高校を舞台に、馬術部に所属する女子高生・菊池香苗(長渕)が、視力を失いかけた馬を献身的に世話することで、やがて強い心の絆で結ばれていく姿を描いた感動作となっている。

香苗(長渕)は、視力を失いかけた馬・タカラコスモス(通称コスモ)を世話することに。猜疑心が強く懐こうとしないコスモに手を焼きつつも、献身的に世話をしていく

皆が感動したという出産のシーン

報道陣に囲まれてのインタビューで、家族からの反応について聞かれた長渕は、「私の演技についてはまだ何も言われてないけど、すごいヒューマンドラマが展開されるので、『さすが佐々部監督だね』って言ってました」とコメント。

撮影は約1年にも及んだというが、「乗馬の練習が本当に大変でした。ここにいる全員、一度は落馬してるんです」(小林)、「実際に馬の出産に立ち会ったシーンでは、台詞も忘れて大泣きしてしまいました」(長渕)など、続々と撮影秘話が明かされた。馬の出産シーンで、森田が長渕に対し、役名ではなく「あやねー!」と呼んでしまったことを明かすと、どっと笑いが。

長期間の撮影を経て、4人は同級生のような雰囲気に。撮影中のエピソードに話が及ぶと、自然と笑みがこぼれる。「スクリーンからも仲の良さを感じてもらえるかも」(長渕)

最後は、「まったく女優としての経験がないところからのスタートだったけど、内容の濃い撮影になったし、すごく思い入れの深い映画になりました。初めての撮影に参加したのが佐々部組で、本当に幸せでした」と話した長渕。本作品への出演で、充実の女優デビューとなったことを強く印象づけた。

(C)2008『三本木農業高校、馬術部』製作委員会

2008年10月4日(土)より、丸の内TOEI他にて、全国ロードショー