JATA(社団法人日本旅行業協会)国際観光会議・世界旅行実行委員会は18日、東京ビッグサイトにて「JATA国際観光会議2008(以下、観光会議2008)」を開催した。同会議と20日より一般向けに開催される「JATA世界旅行博2008(以下、旅行博2008)」では、2010年までに年間海外旅行者数2,000万人を目指すとしたキャンペーン「ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)」と共同で、ツーリズムの魅力と復興を目的としている。

旅行博2008に先がけて開催された観光会議2008では、JATA会長の金井耿氏が開会の辞を述べ、低迷する旅行業界の活性化と設立が間近に迫った「観光庁」の目標・期待が述べられた。

JATA国際観光会議開会式

また今回、マレーシアの低経費航空会社(LLC)で、日本就航が注目されているエア・アジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏が特別に会見を開いた。同グループは、他社が未就航地のアジア各国に乗り入れを行っており、その数は60カ所以上にも及ぶ。また低価格のフライト提供やキャンペーンが話題を呼んでいる。

気になる日本初就航の都市と時期に関して、アズラン・オスマン-ラニ(エア・アジアX - CEO)氏は「最初の就航都市は今の段階で答えられない。札幌から本州の都市まで6つぐらいの都市で就航の検討を進めている。ローコストキャリア(LCC)での提供や条件を話し合い、運用面などを詰めている。業界の方や、行政、旅行業界等々と相談をしたいので、最終的な結論を出すまでに時間がかかるだろう」と言葉を濁した。だが、フェルナンデス氏は「羽田、(建設中の)茨城空港を一番(先の就航地)に考えている」と述べた。就航記念時の運賃に関しては、日本 - クアラルンプール間の片道運賃を「米ドルで25ドル程度を目指したい」(同)とした。日本就航の時期に関しても「今は答えることができない」(同)としたが、「2009年のいつか」と来年度内の就航がほぼ決定的なことをにおわす発言がなされた。

左から、エア・アジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏、エア・アジアX - CEOのアズラン・オスマン-ラニ氏

モルディブ共和国の民間航空・観光大臣 アブドゥラ・マウスーム氏

そのほか、温暖化の影響による海面上昇により国土消滅の危機にさらされているモルディブ共和国の民間航空・観光大臣のアブドゥラ・マウスーム氏が自国の問題から提言できる地球温暖化防止策を講じた。リゾート地で試験的で推進している環境プロジェクトについての説明の後、自国の観光の可能性・魅力について語った。「モルディブは海底より下が魅力。世界第7位、世界の5%のサンゴ礁がモルディブにある。約200種類のサンゴや無類の海中植物に恵まれている特性を生かして、これらを観光資源として活用したい」(同)。モルディブ共和国は、旅行博2008のD - 08ブースに「モルディブ政府観光局」ブースの出展を予定しており、観光客に向けた需要喚起につながるPR展開が予想される。

観光会議2008は本日から20日まで開催し、19日・20日は業界関係者に向けたシンポジウムが東京ビッグサイト会議棟で行われる。旅行博2008は20日・21日に東京ビッグサイトにて開催される(19日は業界関係者のみ)。旅行博2008の開催時間は10時~18時(21日は17時まで)、入場料は大人1,200円、学生600円。詳細は既報を参照。