東芝、高精細技術「XDETM」搭載HDD&DVDレコーダー - 7倍録画対応

東芝は18日、DVDレコーダー「VARDIA」シリーズの新モデル「RD-X8」「RD-S503」「RD-S303」を発表した。発売は11月中旬を予定しており、価格はオープン。市場価格は、RD-X8が14万円前後、RD-S503が10万円前後、RD-S303が8万円前後。また、同時に地デジチューナーを搭載したハードディスクレコーダー「D-H320」と据え置き型DVDプレーヤー「SD-XDE1」も発表。こちらの発売も11月中旬を予定指定。価格はオープンで、推定市場価格はD-320が4万円前後、SD-XDE1が1万8,000円前後。

VARDIAの3モデルは、それぞれ今年6月に発売された「RD-X7」「RD-S502」「RD-S302」の後継となる製品。RD-X8は1TB、RD-S503は500GB、RD-S303は320GBのHDDを内蔵しており、すべてデジタルWチューナーモデル。なお、エントリーモデルのRD-E302は継続販売される。なお、同社では、BDレコーダーの販売は現在のところまったく考えていないとのことで、今後もレコーダーは、HDD+DVDという組み合わせとなるようだ。

新VARDIAでは、従来モデルに比べて、搭載されるMPEG-4 AVC/H.264トランスコーダーを高性能化。新たに、2.8Mbpsという低ビットレートでのフルハイビジョン記録に対応している(従来モデルは3.6Mbpsまで)。これにより、1TBのHDDを内蔵するRD-X8では、最大で約660時間分のフルハイビジョン録画が可能となった。従来機同様、HD Rec機能も採用されており、普通のDVDをHDVRフォーマットすることで、MPEG-4 AVC記録された映像だけでなく、TSタイトルの記録も可能だ(TS記録の場合は、当然、短時間しか記録することができない。BSデジタルでは約20分、地デジの場合でも約30分)。MPEG-4 AVCで記録されたタイトルの場合、片面1層のDVDメディアに、最大で約2時間48分のフルハイビジョン映像を記録可能だ。また、新トランスコーダーでは、低ビットレート時のノイズの発生も従来より抑えられている。

さらに新VARDIAでは「XDE」と呼ばれる高精細技術が新採用されている。同技術は、I/P変換/アップスケールを行った映像の各フレームでのノイズとエッジの抽出を行い、三次元DNRによるノイズ除去、エッジエンハンス、ディティールエンハンスなどを行うというもの。SDからフルHDまですべての解像度に対応可能で、静止画にも有効だという。入力された信号が高精細であればあるほど、その効果が高くなるとのことだ。

また、10月より開始予定の「スカパー!HD」のHD録画への対応も行われる(製品出荷時には未対応だが、バージョンアップにより対応予定)。スカパー!HDは、110°CSではなく、普通のスカパーの衛星を使ったハイビジョン放送。放送内容自体は従来のスカパー!のチャンネルと同じだが、映像はハイビジョン化される。9月17日に予約がスタートしたスカパー!HD対応チューナー「SP-HR200H」(販売価格3万4,800円)と、LANケーブルで接続することで、ハイビジョン画質のまま録画が可能となる。予約録画は、SP-HR200H側の操作のみで実行可能だ。なお、現時点で発表れている製品で、スカパー!HDの映像をハイビジョン録画が可能なのは、このSP-HR200Hと新REGZAの3モデルとの組み合わせのみ。

さらに、REGZAリンクも高機能化。従来は不可能だった、REGZAのHDDに録画されている映像の、ネットワーク経由でのVARDIAへのHDDに無劣化ダビングが可能となっている(内蔵/USB接続/LAN接続のすべてのHDDに対応)。また、ダビングでなく、ムーブを行えば、VARDIA側でDVDに焼くことも可能。対応するREGZAは「ZH7000」「Z7000」「ZH550」「ZV550」シリーズの各モデル。

これらの機能に加え、フラッグシップモデルのRD-X8では、高性能なアナログ音声回路、HDMI回路の高精度化などが行われている。また、RD-X7に採用されていたSillicon Optix社の「HQV ReonVX50」は、映像エンジンが一新された今回のモデルでは搭載されていない。 同時発表されたD-H320は、地デジチューナーを1基搭載したHDDレコーダー。内蔵されているHDDは、2.5インチタイプで、容量は320GB。録画はTSモードのみとなっており、MPEG-4などには対応していない。地デジチューナーを搭載していないテレビに接続して使うことも可能な低価格レコーダー。ネットワーク機能などは搭載されていないが、REGZAリンクには対応している。

また、SD-XDE1は、新VARDIAシリーズと同様にXDEを搭載した、据え置き型DVDプレーヤー。ただし、CPRMには対応するがHDVRフォーマットのディスクには対応していないため、MPEG-4 AVCで記録されたメディア、あるいはTSモードで記録されたメディアの再生には対応していない。