サードウェーブ 代表取締役 社長 尾崎健介氏 |
全国にPCショップ「ドスパラ」を展開しているサードウェーブ。常に最前線を走ってきたPCショップのリーディングカンパニーだ。このドスパラが7月11日にロゴを一新した。新ロゴとともに開始したドスパラとサードウェーブの新展開とその後について、サードウェーブ 代表取締役 社長 尾崎健介氏にインタビューを行った。
デジタルハイエンドユーザーに愛される会社、環境問題を考える会社を目指してロゴを変更されたとのことですが、まずはデジタルハイエンドユーザーに愛される会社を目指すためにどのような取り組みをなさっているの教えていただけますか?
尾崎健介氏 :「最近ではPC本体の販売に力を入れていたのですが、以前のようにPCパーツの品揃えを増やして買いやすい価格で提供しようということで、デジタルハイエンドユーザーに愛される会社を目指そうとしています」。
PC本体に力を入れていたというのは?
尾崎氏 :「以前は、PCパーツを購入して組み立てたほうが、安くPCを用意することができていました。ところが、最近では、完成品でもそう高くない価格で購入できるようになってきています。また、オンラインゲーム用PCにも力を入れており、ゲーム会社さんの協力で、組み立てた上で快適に動作するところまで保証しています。このようにPC本体の販売に力を入れていたのです」。
改めてPCパーツにも力を入れることになった理由は?
尾崎氏 :「PCをイチから組み立てるだけではなく、PCの一部だけをアップグレードしたいというニーズが高まっています。このニーズに対応するためにPCパーツにも力を入れるのです。もちろん、PCの組み立てユーザーにも対応できるようにします。つまり、PC本体からPCパーツへ注力する分野が変わっていくのではなく、もう一度PCパーツの品揃え、価格を見直そうということなのです」。
ロゴを変えられてからハイエンドユーザー、パーツの売り上げは増えてきましたか?
尾崎氏 :「まだ数字でははっきりと出ているわけではありませんが、PCの組み立てユーザー、パワーユーザーの来店者数は増えていると感じています。販売も好調です」。
続いて、環境問題に取り組むことになったきっかけを教えてもらえますか?
尾崎氏 :「環境問題ではチームマイナス6%にも参加させていただいています。実は何年も前から、社内では夏にクールビズを行うなど、できる範囲での取り組みは進めていました。
今回、ロゴを変更する機会にあわせて何かできないかと考え、中古PC事業の取り組みを開始したのです。リユース、リサイクルの考えですね。できるだけゴミを出さない、最新機器の製造を抑えるなど、いかに社会に貢献できるかということを考えています」。
具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか?
尾崎氏 :「すでに全国で買い取りサービスを展開し、いくつかの店舗で販売させていただいています。特にハイエンドユーザーは買い替えサイクルが早いのです。買い替え時に相談していただき、販売と同時にそれまで使っていたPCの買い取りもさせていただく。買い取ったPCを市場に再流通させるのです」。
なるほど、ハイエンドユーザーが多いことが、このようなリサイクルにつながるのですね
尾崎氏 :「環境問題については、さまざまな取り組みを考えています。今後、製品ごとにCO2の排出量や消費電力を明記することを考えています。また、どのような設定にすれば消費電力を抑えられるかということも、分かりやすくユーザーに説明することも検討しています。このような面からも、環境問題で業界の先導を切っていければと考えています」。
でも、ハイエンドマシンは環境に優しくないというイメージがありますよね?
尾崎氏 :「実際はCPUひとつ取ってみても、同じ性能なら数年前と比べて数千分の1の消費電力になったりしています。その辺りも、メーカーと協力しながらキチンとアピールできればと考えています」。
現在のハイエンドユーザーについては、過去と比べてどのような変化を感じていらっしゃいますか?
尾崎氏 :「以前は"とにかくPC(ハードウェア)が好き"というユーザーが多かったように思います。一方最近では、PCの組み立てやオンラインゲームを楽しんだりといったことに加え、音楽や動画編集をなど"PCを使って何かを楽しむ、何かを作る"という方も増えて多様化していると感じています。そのような動向にできるだけ対応していきたいと考えており、そのためにスタッフ一人一人が技術力を上げるようサポートしています。スキルを磨くために、さまざまな資格の取得を奨励し、お客様の質問にはできるだけ答えられるようにしているのです」。
これから先、どのようなショップを目指していくのでしょうか?
尾崎氏 :「デジタルハイエンドユーザーに真に満足していただけるような店舗にしていきたいと考えています。環境問題に関心が高いユーザーも多く、さらに取り組んでいきたいと考えています。このようなニーズに合う最新の製品を、世界中からいち早くユーザーにお届けできればうれしいですね」。