パナソニック(松下電器産業)は9月12日、マイクロフォーサーズ規格に対応した初のデジタル一眼カメラ「LUMIX G1」の発表会を行なった。牛丸俊三 代表取締役副社長は「G1」がデジタル一眼カメラの新しい市場を拓くと語り、新しいイメージキャラクターとして女優の樋口加南子を起用した。
壇上に立った牛丸副社長は、最初にパナソニックのデジタルカメラ「LUMIX (ルミックス)」シリーズが歩んできた道を解説。「パナソニックは最後発でしたが、毎年のように新しい機能を搭載したモデルを発売することで、コンパクトカメラではシェアNo.1をいただけるようになりました」。DMC-FX35は25週にわたって販売ランキング1位を記録したという。
デジタル一眼市場については、「現在の市場は約130万台。デジタルカメラ全体の約11%ですが、フィルム一眼レフのピークは128万台でした。このままではデジタル一眼市場にも歯止めが掛かってしまいます。パナソニックは総合AVメーカーとして、デジタル一眼市場に新しい波を起します」と宣言。「現在のデジタル一眼は、フィルム一眼レフをデジタルに置き換えただけで、大きく、重く、操作も難しい。男性中心の市場です。一方で、コンパクトデジタルカメラに物足りなさを感じている方も多くいらっしゃいます。パナソニックは従来の概念を打ち破るデジタル一眼カメラを登場させます」と語り会場は真っ暗に。紫のスポットライトを浴びて、ステージに置かれたボックスから「LUMIX G1」が登場した。
続いてLUMIX G1のコンセプトを解説。女性ユーザーを強く意識して開発したという。「年々デジタル一眼の女性ユーザーは増えていますが、購入後の様子をみますと、4割以上が使いこなせていません。ファーストタイムバイヤーが安心して使いこなせる、エントリーユーザーに向けて開発してきました」と紹介した。
続いて壇上に上がった松本時和 開発担当は、LUMIX G1の特長について具体的に解説を行なった。「大幅な小型軽量化を可能にしたのは、ミラーボックスのないマイクロフォーサーズ規格のためです。しかしそれだけでは新世代デジタル一眼を名乗る資格はありません。もっともこだわったのがフルタイム ダブル ライブビューと、新しいコントラストAFです」とし、それぞれを解説した。
フルタイム ダブル ライブビューは、EVF(電子ビューファインダー)と液晶モニターの両方をライブビューとして使用し、ファインダーを覗いただけで自動で切り替わるもの。「EVFはプロ用の放送機器に使われてるもので、144万ドット相当の高精細です。色彩豊かな被写体も再現します」とのこと。また液晶モニターは上下左右に動くフリーアングルモニター。3:2のアスペクト比をもち、画素数は46万ドット。
オートフォーカスについては、「DMC-L10のライブビューで、顔認識や追尾AF、おまかせiAを搭載しましたが、コントラストAFの速度は満足していませんでした。G1ではマイクロフォーサーズ規格はもとより、レンズ駆動・制御の最適化などにより大幅にフォーカスを高速化しました。DMC-L10の1/3以下、位相差式と比べても遜色ない速度を実現しています。新生代デジタル一眼にふさわしいAFができたと思います」と力強く語った。
レンズについては、「G1と同時に開発したレンズは2本。どちらも手ブレ補正を搭載した超軽量レンズです。45-200mmは400mm相当の超望遠レンズで、EDガラスを3枚も使用しています。またキットレンズとしては珍しく、金属マウントを使用しています」とのこと。合わせて今後の開発予定も公開され、2009年には14-140mmの10倍ズーム、F4通しの7-14mm、20mm F1.7のパンケーキという3本が発売される。そして松本氏は、「G1の『G』は、新しい時代を切り開らくという意味で、ジェネレーション(generation)から取っています」と解説を締めくくった。
再度登場した牛丸副社長は、「G1はHDMI端子を搭載し、ハイビジョンテレビとの接続も可能です。来春にはハイビジョン動画対応のモデルを投入します」と、次のモデルが予告された。そしてプローションの解説では、「知的でアクティブな女性を中心にした、いままでない展開を考えました」とし、新キャラクターとして樋口加南子を起用。さらに樋口を含め、「女流一眼隊」(鳥居かほり、鈴木慶江、他)を結成し、宣伝・広告を展開してくと解説した。