メルシャンは10日、ワインと魚介の組み合わせによる生臭み発生のメカニズムを解明したと発表した。一般的に「魚介には白ワイン」といわれているが、まれに魚介と白ワインを合わせた際に口中で瞬時に生臭みを感じることがある。同社では、この発生メカニズムに関する研究を進めてきていたという。
同研究では、生臭みに影響を与えるワイン中の成分を特定するために、生臭みを発生しやすいとされるホタテの干物を魚介の例として選択。これに69種類のワインを合わせ、発生する生臭みの強さの官能評価を実施したとのこと。その結果、生臭みの強さはワイン中の「鉄」含有量と強く相関していることを世界で初めて発見したという。つまり、「『鉄』が多いほど、生臭みが強くなる」(同社)ということだ。
さらに、ワインと魚介から発生する生臭い物質が「(E,Z)-2,4-ヘプタジエナール」であることも特定。「今回の研究結果は、ワイン中の『鉄』が魚介の『脂質』の酸化を促進、『(E,Z)-2,4-ヘプタジエナール』を瞬時に発生させ、口中の生臭みとして感じられることを示唆しています」。
なお、国産ぶどうを使った白ワインは、「鉄」の含有量が少ないという調査報告があるという。今後は今回の研究結果を踏まえ、刺身や寿司など魚介が多く用いられている和食と甲州ワインをはじめとする国産ぶどうを使った白ワインとの相性を解明するため、研究をさらに進めていくとのことだ。