Dave Ditzel氏は、ヒットとしてスーパスカラ、そして、バイナリ互換、低電力x86と同氏の創立したTransmetaの方向性を上げ、更に、VLIW/SIMDなどによる低電力、高Flops、簡素なインオーダーコアの復活を上げ、ミスとしては、GaAs、ECLなどのCMOS以外のテクノロジのプロセサ開発、大部分のマルチプロセサ提案、そして、アーキテクチャとしてはJavaプロセサとx86を置き換えようとする新アーキテクチャの試みを挙げた。そして、同氏の尊敬する命令アーキテクチャの順番を示し、その順位と市場での成功は逆転しているという図を掲げた。
Dave Ditzel氏の掲げた同氏の尊敬するアーキテクチャの順位と最近の市場での成功が逆転しているという図 |
Nathan Brookwood氏は、投資に対するリターン(Return On Investment)は、Leagalの方がMarketingよりずっと割が良いと述べ、販売に失敗しても、法廷で勝てば大金が得られるとして、スターとアップのMicroUnityやTransmetaがIntelなどからそれぞれ約$300Mをせしめ、IntergraphはIntelから$700Mあまりをせしめた例を挙げた。なお、最初に書いたように、Transmetaの特許はDitzel氏ら、Intergraphの特許はSachs氏が発明したものである。
そしてこの20年で一番生産的でなかったのは命令並列性の追求であり、一番生産的だったのはマルチコア、マルチスレッドであったと述べた。
パネリストの発表の後、会場からの質問に答え、「プロセサのスタートアップは可能か?」という質問に対して、パネルは、(最も最近のプロセサスタートアップである)Montalvo Systemsは$100Mを集めて開発を進めたが、製品化のための次の$100Mが集められずに倒産した。プロセサの開発は金が掛かりすぎるので、スタートアップでやるのは無理という意見であった。但し、コンセプトを実証するところまでやって、大手に身売りするというビジネスモデルなら可能性はあるという意見も出た。
また、「若いエンジニアへのアドバイスは?」という質問に対して、Ditzel氏は、「注意深く従事するプロジェクトを選べ。ちゃんとやるには10年掛かる(ので一生に幾つも出来ない)。また、簡単にあきらめるな。」と述べた。そして、Patterson教授は、「情熱をもってやれるものをみつけろ。」という忠告であった。しかし、日本では、アメリカに比べるとプロジェクトを選ぶ自由が少ないので、難しい忠告ではある。