東京・丸の内エリアにおいて、街を舞台にしたアートイベント「CowParade(カウパレード)東京丸の内 2008」が9月5日から10月19日までの日程で開催されている。イベント初日となる5日には、タレントの中川翔子、アートディレクターの浅葉克己などを招いての除幕式が行われた。(敬称略)
世界が注目するパブリックアートの祭典「カウパレード」
1998年、スイス・チューリヒで地元のアーティスト達がペイントした実物大の牛のオブジェを街にディスプレイし、大きな注目を集めたことがこの「カウパレード」の発祥。翌年にはシカゴ開催、さらに2000年にはニューヨークで著名なアーティストや市民が参加する大きなイベントに発展した。現在では世界の50を越える都市で開催されている。
日本では2003年、2006年に続いて今回が3回目。今回は多くの若手アーティストや、子ども達の手による作品も展示されている。また、日本とオランダの外交樹立150周年および通商関係400周年を記念する「日本オランダ年2008-2009」とのコラボレーションにより、EU加盟国のアーティストと子ども達が制作した「EU Herd of Cows」出品作品から選りすぐりの12体が集められたエリアもある。
除幕式には同イベントの実行委員長小林重敬を初めとする実行委員のほか、ゲストとして浅葉克己(アートディレクター)、青木克憲(アートディレクター)、寺門孝之(画家)、中川翔子(タレント)が出席した。
ゲストと実行委員が揃っての除幕。文字通り多彩な牛のオブジェが現れた。
続いて、今回のゲストが揃っての記者会見が行われた。
センマイは「ギザキモウマス!」
記者会見で作品について質問された中川翔子は、牡牛座・丑年に生まれで常に牛を身近なものを感じていたという。「すぐに宇宙をイメージしましょう! と思いまして、デザインはすぐ決まりました」という作品は、全身に星や惑星を散りばめた『牡牛座ギザ11次元』。
今回が2回目の出品となる浅葉克己の作品は、"サーロイン"や"ランプ"など肉の部位を描いた『肉地図』。前回は全体に楷書で般若心経を記し、殺されることを全力で回避(?)したものだったが、今回は純然たる"食べ物"として描き、アートと現実の狭間にある人間の視点が感じられる作品となっている。
天使を描いた作品を多く制作する寺門孝之の『エンジェルズ・カウ』。この牛も天使で覆われたファンタジックな作品 |
少ないポリゴンで作られた3Dキャラクター「コペット」を重ねた、青木克憲の『コペット・カウ』。不思議な立体感 |
平和、メタボ、おしゃれ……牛に描かれた様々なメッセージ
今回のカウパレードに展示される作品は、合計73体。除幕式に招かれたゲスト以外にも、佐藤可士和(アートディレクター)、隈研吾(建築家)、鈴木エドワード(建築家)、荒木経惟(写真家)、菅原一剛(写真家)×藤原紀香(タレント)など、多数の著名人が参加。また、5月に行われた若手アーティストのためのイベント「アートアワードトーキョー2008」の受賞者の作品も展示される。
展示場所は大手町ビル、丸ビル、国際ビルなど、大手町から有楽町にかけての丸の内エリア一帯。丸ビルインフォメーション等、展示場所となるビルにはガイドマップを収録したリーフレットが設置されている。また、作品一覧とガイドマップは同イベントのWebサイトでも閲覧できる。展示は10月19日までで、イベント終了後は作品をオークションで販売、売上金は社会貢献事業団体へ寄付されることになっている。