公正取引委員会は4日、イー・モバイルが行った広告表示において、サービスの内容を誤解させるものになっていたとし、景品表示法第4条第1項第2号に当たる有利誤認の規定に違反している恐れがあると判断。同社に対して警告を行った。
警告を行ったのは、「定額パック24」の広告で、2~4月頃に駅貼りポスターおよび車両内広告として掲載された、「ありえない! 電話基本料0円。」「ケータイ初! 月々980円で24時間いつでも通話無料。」という内容。加えて、2~5月頃に放送されていたテレビコマーシャルの「電話基本料0円」「ケータイ初! 月々980円で24時間通話無料。」についての映像、「ケータイ初。イー・モバイル同士なら月々980円で24時間通話無料」などの音声について。
これらの広告が、イー・モバイルの携帯電話同士だけでなく他社への通話料金も980円で利用できるかのように思わせると指摘。実際は、「定額パック24」の料金で通話できるのは、イー・モバイルの携帯電話同士に限られ、国内ローミングサービスを利用する場合も、別途月額105円の利用料および通話料がかかる。さらに「定額パック24」を利用するには、データ通信サービスの契約が必要となり、最低でも合計月額1,980円の利用料がかかる。
また、3~4月頃に新聞や雑誌に掲載された、他社PHSとの「定額パック24」およびデータ通信サービスについての比較広告についても警告。警告を行ったのは、「EMモバイル」の「データ通信利用料 1,000円/月~」「980円/月 自社携帯電話同士なら 24時間通話無料! 」および「他社PHS」の「データ通信利用料 1,050円/月~」「2,900円/月 自社PHS同士なら 24時間通話無料! 」という記載内容。加えて、EMモバイル金額を合計した1,980円を表す棒グラフと、他社PHSの金額を合計した3,950円を表す棒グラフを並べ、他社PHSに対して半額で済むかのように記載していた点。
これについても「他社PHSの同等サービスのおよそ半額になるのは、1ヶ月のデータ通信利用が2万3,825パケットまでの場合で、利用状況によってはPHSより高くなる場合や半額にはならない場合がある」と指摘している。
これらの広告は、いずれも広告全体からすると小さい文字で注釈が掲載されていた。警告を受けて、イー・モバイルでは「すでに対象となった広告は止めている」とした上で、「今回の警告を厳粛に受け止め、今後はより一層消費者に分かりやすい適切な広告表示を行なうよう努める」とユーザーおよび関係者に対して謝罪を行っている。
(memn0ck/K-MAX)