ブラザー工業は、ホーム向け複合機「マイミーオ」シリーズで8機種、ビジネス向け複合機・プリンタ「ジャスティオ」で2機種を発売すると発表した。
「マイミーオ」では、ファックス付き複合機として4.2型タッチパネルと有線&無線LAN、子機を搭載したモデル「MFC-930CDN/CDWN」(子機1台のCDNが店頭想定価格4万円前後、子機2台のCDWNが4万8,000円前後)と、4.2型タッチパネルと子機を持つ「MFC-670CD/CDW」(子機1台のCDが3万円前後、子機2台のCDWが3万8,000円前後)を10月下旬に発売。また、3.3型液晶と有線&無線LAN端子対応の「MFC-490CN」(2万5,000円前後)を10月初旬に発売。プリンタ複合機として3.3型液晶と有線&無線LAN対応の「DCP-535CN」(1万8,000円前後)を11月中旬に、3.3型液晶を持つ「DCP-385C」(1万4,000円)と、エントリーモデル「DCP-165C」(1万2,000円前後)を10月初旬に発売する。
「ジャスティオ」では、A3プリント&A3スキャン対応「MFC-6490CN」(5万5,000円前後)を10月初旬に、A3プリント&A4スキャン対応「MFC-5890CN」(4万円前後)を10月下旬に発売する。
発表会ではブラザー工業 代表取締役 専務執行役員 古河勇治氏がブラザーグループのプリンティング事業について説明した。
ブラザー工業は、安井ミシン商会として1908年に創業されて今年で100周年。海外展開も早く、1954年にはアメリカに、1958年には欧州に販売会社を設立している。現在では全世界で42の販売拠点、19の生産拠点を展開し、従業員数が2万3,809人(連結、2008年3月末現在)。売上高構成比では日本が17.3%に対して、米州が31.2%、欧州が34.7%、アジア他が16.8%(2007年度)と、売上高の8割以上が海外のグローバル企業となっている。事業別で見れば、家庭用ミシンが6.0%である一方、ファックスやプリンタなどのプリンティング事業が72.8%と中核事業はすでにプリンティングに移行しているとした。
そのような中、2012年に売上高1兆円(営業利益1000億円)規模の企業を目指すため、プリンティングを中心とした既存事業を2008年度の5,700億円(予想)から2012年には8,000億円に伸ばし、新規事業で2,000億円を計画。プリンティング事業での重要施策は、カラーのブラザーとしての市場ポジションを確立すること、電子文具事業の拡大戦略、モノクロレーザー事業の最大化の3点。この中でも特に、カラーのブラザーとして市場ポジションを確立するために、薄型インクジェット複合機とビジネス向けインクジェット複合機の分野で新機種を投入することとなった。
続いて、ブラザー販売 代表取締役社長 片山俊介氏が、国内でのプリンティング事業と新商品戦略を説明した。
07年度からホーム向け「マイミーオ」、ビジネス向け「ジャスティオ」と2つのブランドで展開。「マイミーオ」ではラインアップを一新、ジャスティオは新カテゴリを投入することでカラー化を推進したとした。ホーム市場規模を見ると、プリンタの単体機が220万台なのに対して複合機は430万台(ブラザー調べ)と圧倒的に複合機化が進んでいる。「マイミーオ」は、ファックスとデザインが支持されてリビングに設置されていることが特徴になっているため、ファックスの複合機化を軸に「リビング複合機」として展開するとした。
機能面では、複合機初心者でも簡単に使えるように4.2型タッチパネルカラー液晶搭載モデルや、ケータイから直接印刷できる「IrSimple」搭載モデルなどを展開。さらには、着弾性能をアップさせた新ピエゾヘッドや4色で6色並みの色再現が可能な新カラーマッチングテクノロジーといった新プリントエンジンにより、色彩豊かで奥行きのある写真画質を実現。これにより新市場を創造・拡大し、ファックス付き複合機で80%以上の年間シェアを目指すとした。
ビジネス市場ではA4レーザー複合機、A4ホーム向けインクジェット複合機、ビジネスファックス、A3複写機などスモールオフィス環境でのさまざまなニーズがある。「ジャスティオ」ではA4用途を中心に対応していたが、A3のライト用途を創出するためにブランドを拡大していく。ポイントはA3対応でありながら、コンパクトで低導入コストであること。これに合うように、A3プリント&A3スキャンに対応した世界最小ボディの「MFC-6490CN」、A4スキャン対応の省スペースモデル「MFC-5890CN」を投入。6万台の目標販売台数を目指す。