レノボ・ジャパンは26日、同社モバイル製品のハイエンドモデルとして「ThinkPad W700」を発表した。業界で初めて、デジタイザとカラーキャリブレーション機能を内蔵したモバイルワークステーション。発売は即日開始されており、ダイレクト価格は42万円から。またエントリーノート「同 SL300」も同時に発表されている。

「ThinkPad W700」の外観。デジタイザとカラーキャリブレーションを内蔵しないモデルもある

同社は先月、モバイルワークステーションとしてThinkPad Wシリーズを発表、第一弾製品として「W500」が発売されていた。今回発表されたW700はW500の上位機種となるもので、ディスプレイサイズは15.4インチワイドから17インチワイドに大型化。パフォーマンスも強化されており、初めてクワッドコアの「Core 2 Extreme QX9300」(2.53GHz)を搭載した(最上位モデルのみ)。

モバイル製品の最新ラインナップはこうなる

新製品のポジショニング。W700は右下

グラフィックも強化されており、最上位モデルではNVIDIAの「Quadro FX 3700M」(メモリ1GB)を搭載した。製品発表会でのデモ時に紹介された3DMark06のスコアは「11137」となっており、これはW500と比較して3倍のパフォーマンスになるという。こういったパフォーマンスを実現するために、W700では従来製品との共用ではなく、専用のプラットフォームを新たに開発した。

Windows Vistaのエクスペリエンス・インデックスは満点の5.9

W700ではパフォーマンスを重視して専用プラットフォームを開発

パフォーマンスの強化のほか、W700の特徴となるのが、業界で初めて搭載したというデジタイザとカラーキャリブレーション機能。これはWacom製の128×80mmデジタイザをタッチパッドの横に内蔵したもので、付属のペンを使って操作することができる。またその上部には新開発の小型センサーが埋め込まれており、ディスプレイを閉じるだけで簡単にカラーキャリブレーションを行える。

タッチパッドの右にあるのがデジタイザ。大きさは128×80mm

カラーキャリブレーション用のセンサーはデジタイザの上に配置

カラーキャリブレーションには専用のソフトウェアを使う

ディスプレイを閉じる。キャリブレーション中は天板のLEDが点滅

約1分間でキャリブレーションは完了。ディスプレイを再び開くとこの画面に

キャリブレーション前と比較もできる。写真では分かりにくいが、肉眼ではかなり違う印象

ラインナップは以下の3モデル。当初はこの3モデルでスタートするが、順次追加されていく見込みだ。

W700シリーズのラインナップ
モデル 27574JJ 27574LJ 27585EJ
OS Windows Vista Business Windows XP Pro Windows Vista Ultimate
CPU Core 2 Duo T9400 Core 2 Duo T9600 Core 2 Extreme QX9300
ディスプレイ 17インチWXGA+ 17インチWUXGA
チップセット PM45
グラフィック Quadro FX 2700M(512MB) Quadro FX 3700M(1GB)
メモリ PC3-8500 1GB PC3-8500 2GB PC3-8500 4GB
HDD 160GB×2(RAID 0) 200GB×2(RAID 0)
光学ドライブ DVDスーパーマルチ Blu-ray
デジタイザ × ×
vPro ×
サイズ 410×310×40.6-41.4mm
重量 3.76kg
ダイレクト価格 42万円 48万8250円 73万5000円

このW700のターゲットユーザーとしては、グラフィック、デジタル写真、CAD、製造、ガス・石油業界などの分野が想定されている。ワークステーション市場では「2割~2割半がモバイルで、比率も上がっている」(同社マーケティング&広報本部長の原田洋次氏)という。業界動向をインテルと検討しながら、「モバイルワークステーションの頂点」をテーマに開発したそうだ。