Booksベストセラー週間総合ランキング8月15日~8月21日では、『黒魔女さんが通る!!(9)』(石崎洋司/藤田香)、『別冊図書館戦争(2)』(有川浩)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。

8月15日~8月21日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
2位 ハリー・ポッターと死の秘宝(静山社) J.K.ローリング/松岡佑子訳
3位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
4位 O型自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
5位 AB型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
6位 上地雄輔物語(ワニブックス) 上地雄輔
7位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
8位 黒魔女さんが通る!!(9)(講談社) 石崎洋司/藤田香
9位 ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説(2)(竹書房) 関 暁夫
10位 別冊図書館戦争(2)(アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売) 有川 浩

Booksベストセラー週間総合ランキング8月15日~8月21日では、『黒魔女さんが通る!!(9)』(石崎洋司/藤田香)、『別冊図書館戦争(2)』(有川浩)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。

新登場8位の『黒魔女さんが通る!!(9)』(石崎洋司/藤田香)は、累計100万部を突破した人気シリーズの最新刊。オカルト好きの「チョコ」こと黒鳥千代子が誤って黒魔女を召還してしまったことから始まる物語。呼び出したのが"黒魔女インストラクター"だったため、チョコも黒魔女修行をする羽目になってしまう。キャラクターのおもしろさと萌え絵風の挿絵が低年齢層に人気を集めているようだ。

新登場10位に入った『別冊図書館戦争(2)』(有川 浩)は、近未来の図書館がメディア統制と言論弾圧に武力をもって戦うという小説シリーズ『図書館戦争』のスピンアウト小説の第2弾。本編の登場人物の後日談が語られる。

注目は、単行本ノンフィクション部門8位に初めて登場した『つるっつるの脳みそ』(つるの剛士)。昔はウルトラマンだったのに今や"おバカタレント"として有名な著者による初のエッセイ本。どこまでもポジティブな彼の生き方が文章に反映されており、人生を楽しく生きるパワーがもらえるかのような一冊に仕上がっている。

今週の注目

ソリューション・ゲーム(宝島社/伊園旬/税別1,300円)

昨今、コンプライアンスという言葉がよく聞かれる。法令を遵守するという意味のこの語は、企業において不祥事が生じた際によく使用される。昔とは違いひとつの不祥事が会社の存亡をも左右しかねない今日、特に大企業の多くはコンプライアンス重視を掲げるようになっている。

そんな「コンプライアンス」に一種の皮肉な視線を投げかけるのが本作。父親のコネでIT関連の大企業に中途入社した主人公は出社初日に子会社への出向の辞令を受ける。その会社は親会社の委託を受けて様々な「調査対応」や「問題解決」を行うのが仕事。元々は社内のコンプライアンス対策室の一部だったという。主人公は社長とコンビを組み様々な問題の調査や解決に当たるが、彼の持つ正義感は早々に挫折する。事実を解明してそれを白日の下にさらしても、親会社を含めて誰の得にもならないのだ。結論から言うと、不祥事は隠される。あくまでも問題の原因を突き止め再発の予防策を講じた上で。

コンプライアンスという意味では当然不祥事は隠すべきではないだろう。だが、ただ単に大騒ぎになってトップが替われば良いのか、はたまたきちんと再発防止策が講じられた上で消費者は知らないほうが幸せなのか―。コンプライアンスとは何なのか、そして正義はどこにあるのかを深く考えさせられる一冊だ。