カゴメはこのほど、子どもの野菜摂取に関するアンケート調査を実施し、「野菜が好きな子どもは過半数に達していない」などとする結果を発表した。この調査は同社が食育支援活動の一環として実施しているミュージカル「カゴメ劇場」のWEBサイト上にて4月から6月にかけて行われ、主に3歳~7歳の子どもを持つ保護者から回答を得た。有効回答数は3,863件。
調査では母親に対して野菜が好きかを尋ねたところ、82.2%と高い割合で「好き」との回答を得た。しかし子どもについて尋ねると、我が子が野菜好きとの回答は45.5%と半数に満たなかった。野菜が嫌いだと答えた母親の子どもに限ると、その割合はわずか14.8%に激減。逆に77.3%もの子どもが母親と同じく「野菜が嫌い」であることが判明し、母親の野菜嗜好が子どもに大きく影響していることを示した。
「好きな野菜」を調べる項目で子どもに最も支持されたのは、「さつまいも」(76.4%)。次いで「えだまめ」、「じゃがいも」、「とうもろこし」、「トマト」と続き、甘みの強い野菜が多く支持されていることがわかった。一昔前は子どもが嫌いな野菜の代表格とされていた「にんじん」は意外にも好きな野菜の6位にランクイン。品種改良により、苦味やくせが少なくなり甘みが強くなったことが影響していると見られる。一方で「にんじん」は保護者には不人気で、嫌いな野菜の8位に挙がった。子どもが先入観なく食べているのに対し、保護者は苦手な人からの「まずい」との評判を聞いて、自らも苦手意識を育てているものと見られる。
一方、「子どもが嫌いな野菜」の第1位は「ピーマン」。実に半数近い45%が「嫌い」と回答した。ピーマンは前回(2005年)の調査でも嫌いな野菜1位に挙がった"不動の王者"だ。続く2位は、前回の調査では項目に含まれていなかった「水菜」。嫌いな野菜料理を尋ねる質問では「野菜炒め」に続いて「生野菜」が挙げられており、ほとんどが生で食べることの多い水菜は必然的に嫌いな野菜の上位に選ばれたといえそうだ。このほかの「嫌いな野菜」の上位は「オクラ」、「ねぎ」、「ニラ」、「アスパラガス」、「しいたけ」などとなっている。
子どもが野菜嫌いを克服したきっかけについては、"おいしいよ、体にいいよ"などの「声かけをする」、"家族や友人が食べているのを見て"などの「共食」、"キャラクターを使う"、"歌をうたう"といった「演出」など、食事中のコミュニケーションや楽しい食卓の演出が多く挙げられた。また、野菜の「栽培」や「収穫体験」も上位に挙げられ、「細かく刻む」「分からないように混ぜる」といった調理技術による工夫よりも、楽しい食卓をつくり子どもに食への関心を持たせることが野菜嫌い克服につながることを示す結果となった。