日本航空(JAL)グループは11日、日本-ハワイ間において運行航路を最適化するUPR方式の試行運用を開始した。飛行経路と飛行時間の短縮による運航効率の向上や、燃料消費および排出CO2の削減などの環境負荷軽減が期待されるという。

UPR方式とは、最新の気象状況と各機材の性能を考慮したより安全で効率の良い飛行経路を、航空会社が任意に作成・運航することができる経路設定方式のこと。2007年11月より国土交通省と米国連邦航空局が同路線での導入に向けて安全検証を続けていた。

従来、同路線において各航空会社は24時間前の気象予報に基づいて管制機関が設定した2つの飛行経路を使用してきたとのこと。しかし、運行時刻までの間の気象予報の変化やそれぞれの機材の性能の違いなどにより、事前に設定した経路が必ずしも最適経路とはならないケースも少なくなかったという。今回の導入により、JALでは日本-ハワイ間の同社便でCO2排出量4,700トン、燃料使用量193万リットル、燃油費1億8,000万円の削減効果を想定している。

今後JALグループでは、成田-ホノルル/コナ、大阪-ホノルル、名古屋-ホノルルの定期便および日本-ハワイの臨時便・チャーター便にUPR方式の試行運用を広げるとしている。