Mozilla FirefoxのQt移植版 (以下、mozilla-qt) が、Mozillaのソースコードツリーに統合された。Webサイト「mozilla-qt」では、ソースコード一式およびビルド用ツールが公開されている。
mozilla-qtは、Nokia傘下のTrolltech社が開発を進めるGUIフレームワーク「Qt」を利用した、Firefoxの移植版。コードベースには最新のMozilla trunk 1.9.xと、2008年5月リリースのQt 4.4を採用している。ユーザインターフェイスの仕様は、Firefox 3.xのほか、TestQEmbedに準拠する。開発プロジェクトは公式なものではないが、開発メンバーにはNokia社員のほか、Firefoxの開発に関与した人物が複数参加している。
Mozilla社員で開発メンバーのVladimir Vukicevic氏のブログによれば、「これまでもFirefoxをQtへ移植する試みは存在したが、顧みられることなく終わった。しかしいまやQtは組み込み分野とOpenGL / DirectXのサポートなどで長足の進歩を遂げ、Geckoに3Dレンダリング機能を実装するとき役立つかもしれないと考えた」として、Qtに対する期待を述べている。ブログでは、QtブランチはX11とQt Embeddedでの動作を確認しているが、将来的にはGeckoでトップレベルのサポートが行われることを期待している、と結んでいる。