日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は6日、PCのライフサイクルにあわせたサポート体系「HP Total Care」で、迷惑メール対策、盗難PC追跡、専用コール窓口の3つのサポートを追加することを発表した。
新サポートを説明する日本ヒューレット・パッカード パーソナルシステムズ事業統括 デスクトップビジネス本部 サービスビジネス スペシャリスト 中宏樹氏 |
「HP Eメールフィルタ」
9月に開始予定の迷惑メール対策「HP Eメールフィルタ」は、日本HPとシマンテックの協業により実現。Software as a Serviceとして提供する。具体的にはインターネット上に「HP Eメールフィルタサーバ」を設置。シマンテックの「Symantec Brightmail AntiSpam」「Symantec AntiVirus」テクノロジーにより、スパムやウィルス、必要ないコンテンツなどの潜在的な脅威を企業内ネットワークに入る前に防御する。ユーザー企業にとっては、IT管理者のセキュリティ専門知識がなくても利用でき、ハードウェアへの投資、専用ソフトウェアのインストール、メンテナンスが不要となる。ワールドワイドではマレーシアやシンガポールなどで先行してサービスを開始している。
価格はスパム、ウィルス、コンテンツのフィルタと、ディザスタリカバリなどの全サービス込みで、1ユーザーあたり3,150円/年(250円/月)。1年単位の契約で1ユーザーからユーザー数に応じたライセンス販売となる。
対象は従業員1,000名以下の企業だが、それ以上の場合でも対応は可能。固定IPアドレスで設定されたEメールシステムが必要で、ドメイン単位での契約が可能となっている(サブドメインも1ドメインとなる)。日本HPに対してメールサーバの情報を提供し、ユーザー企業側でMXレコードを変更しないといけない。
他社でも似たようなサービスがあるが、日本HPではシマンテックとの協業により安全で強力なフィルタリングサービスが提供できること、すべてのサービスを低価格で実現していることを強みとしている。
「PCトレーシング」
7日に提供開始する盗難PC追跡「PCトレーシング」は、盗難や紛失などの発生後にデータ流出のリスクを低減する対策ツール。「PCトレーシング」を導入したPCは、IPアドレスが変わるなど特定条件が発生した際に、追跡情報としてIT管理者やPC所有者にメールを送信。盗難・紛失と判断すれば、機密データ保護のためにPCに対して削除命令を発行できる。追跡情報の電子メールは最大2台までのPCに送信可能。基本サービス「PCトレーシングシルバー」では、追跡情報のメール送信、PC追跡、技術サポートを提供し、価格は1年用が2,100円、3年用が4,200円。リモートデータ削除などを追加した「PCトレーシングゴールド」は、1年用が5,775円、3年用が1万1,550円。
「PCトレーシング」では、IPアドレスが変わるなど、ある条件下で追跡情報のメールを送信。これによりPCの状況が把握できる |
PCからは写真のようなメールが送信されてくる。これにより、どのネットワークにつながっているのかなどが分かる |
2種類のサービスに分けているのは、データ削除を必要としないユーザーもいるため。シルバーからゴールドへのアップグレードは可能だが、ソフトウェアをインストールする必要があるため、盗難・紛失後のアップグレードは行えない。
対象ハードウェアはビジネスノートブック(モバイルシンクライアントを除く)やビジネスデスクトップなど、ビジネス用途のマシン。Pentium 90MHz以上(互換プロセッサを含む)、32MBメモリ、1MBの空きディスク容量が必要で、Windows XP Professional/SP2、Windows Vista Home Basic/Businessをサポートしている。
コンシューマ向けPCなどでも利用可能だが、サービス開始時はビジネス用途向けのみ展開する。今後ユーザーの要望を聞きながら、コンシューマPCにも展開することを検討していく。
「プライオリティアカウントサービス」
サポート体制として、標準保証、HP Care Packを加え、ユーザー企業向けに専用コール窓口を用意する「プライオリティアカウントサービス」を7日から提供する。このサービスもシルバー、ゴールドの2種類を用意する。シルバーでは、専用コール窓口での受付、ハードウェア優先修理対応、システムプロファイルの管理を提供。ゴールドではシルバーに加え、専任担当者「テクニシャル アカウント マネージャ」による障害管理・対応、月次報告書の作成と提出、技術情報の提供、障害対応報告書の作成と提出が行われる。価格はシルバーが1サイトで157万5,000円から/1年間、ゴールドが1サイトで262万5,000円から/1年間(契約時の条件で金額が異なる)。
ターゲットはビジネスリスクを低減するために、ワンクラス上のスムーズで迅速な対応を希望するユーザー。条件は、サービスの提供を希望するハードウェアの年間トータル導入台数が1,000台以上あること。導入したハードウェアと同数のアカウントサービスが購入できる。