日産自動車は6日、従来比約2倍の出力を発生する燃料電池スタックを開発したと発表した。今年末より車両実験を開始するとしている。
今回開発された燃料電池スタックは、スタック内で水素と空気、冷却水を分離する隔壁であるセパレーターを従来のカーボン製から薄型の金属製に変更。これにより、スタック全体の体積を従来の90Lから68Lへと4分の3に小型化した。また、電解質膜の両側に電極を接合させた構造体である膜電極接合体(MEA)の改良により、発電能力が向上。出力を90kWから130kWへ1.4倍に向上した。同じ体積の燃料電池で比較した場合、従来の約2倍の出力が発生していることになり、燃料電池を従来よりさらに大型の車両に適用することが可能になるという。また、電極の触媒層構造を見直し、白金の使用量を従来の半分に削減すると共に、触媒の耐久性も高めることで大幅な低コスト化と長寿命化を実現したとのことだ。
同社では、今後も中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2010」に基づきCO2排出量の削減に実効性のある技術、商品、サービスを開発して、市場に投入していくとしている。