日産は6日、2010年度に日本及び北米で発売予定のリチウムイオンバッテリーを搭載した独自開発の電気自動車と後輪駆動ハイブリッド車の実験車両を公開した。共に日産とNECの合弁会社オートモーティブエナジーサプライが開発したリチウムイオンバッテリーを搭載している。また、2010年度に発売予定の電気自動車は、既存の車体ではなく、電気自動車用として専用にデザイン、設計された新型車になるとしている。
電気自動車は、2010年には日本と北米で発売、2012年にはグローバルで量産される予定。今回公開された車両は、電気自動車のポテンシャルを確認するための試作モデルとしている。実験車両は前輪駆動方式を採用し、フード内には80kWの新開発モーターとインバーターシステムを搭載し、高いレスポンスと力強い加速を実現しているという。また居住空間を犠牲にしないため、高性能のラミネート型リチウムインバッテリーが床下に配置される。
ハイブリッド車は、後輪駆動方式が採用される。今回公開された実験車両は、同社が目指す「意のままに操る走りの楽しさを追求しつつ、環境性能を向上すること」を目的に開発を進めている後輪駆動ハイブリッドシステムを搭載する。同社のハイブリッドシステムは駆動・回生用を兼ねる1つのモーターとエンジン、トランスミッションを2つのクラッチでダイレクトに接続したハイブリッドシステム。モーターと2つのクラッチを走行モードに合わせて切り替え、モーター走行とエンジン走行、減速時のエネルギー回生を行うことで、大幅な燃費向上を実現すると共に高い動力性能を発揮するとしている。また、エンジンとモーター、トランスミッションがトルクコンバーター等を介さずに直接接続されているため、レスポンスに優れるとしている。