環境保護活動などに取り組む企業の商品を購入すると、その売上げの一部が寄付される―。日常の買い物によって間接的に募金をしていたということが近頃多いようだ。中でも地球規模の問題である「水」に着目した企業のキャンペーンが目立つ。P&Gでは8月より、衣料用液体洗剤『アリエールイオンパワージェル』の限定スペシャルボトルを1本購入すると、水問題を抱える国々で子供が1日に必要な水、約17人相当分を生み出すのに必要な資金を寄付するキャンペーンをスタートした。

現在、世界中で深刻化している水問題。例えば、2006年のUNICEFとWHOの報告書によると、11億人が水道や掘り抜き井戸からの安全な水を飲めない。世界の5人のうち2人にあたる26億人がトイレなどの衛生設備を利用できないのだ。さらに、2006年の人間開発報告書では、毎年180万人近くの子供たちが非衛生的な水と、衛生設備がないために、病気が蔓延し命を落としているという。

P&Gはこの夏、対象商品1本で、子供が1日に必要な水を約17人分生み出す

そんな中、P&Gが実施するのは、その名も「水を届けようキャンペーン」。8月に発売開始の『アリエールイオンパワージェル』の「アリエール1本でできる水の募金」のステッカーが貼付されたスペシャルボトルを1本購入すると、5円の寄付を行うことになる。5円相当の資金を、井戸を掘る活動などで算出すると「子供が1日に必要とする水、約17人分相当」の水が供給されるという。期間は、スペシャルボトルの販売完了まで続く。

P&Gの『アリエールイオンパワージェル』のスペシャルボトルの購入で募金ができる「水を届けようキャンペーン」

アリエール

寄付を受けたNPO日本水フォーラムが、開発途上国で水問題を抱える地域の学校における安全な飲料水供給設備の建設、持続可能なトイレの整備、水と衛生に関わる教育のプロジェクトを、現地のNGOなどを通して実施するという。支援の実施状況については、「アリエールキャンペーンサイト」で紹介される。

まだまだある「水」キャンペーン - Volvicで「1l for 10l」

そのほか、ダノンウォーターズオブジャパンと日本ユニセフ協会は、世界で展開している清潔で安全な水を確保するための支援プログラム「1l for 10l(ワンリッター フォー テンリッター)」を日本全国で展開中。ナチュラルミネラルウォーター『Volvic』の売上げ1リットル分につき、10リットルの清潔で安全な水がアフリカに生まれるという内容だ。すでに6月1日より実施しており、期間は9月30日まで。売上げの一部がユニセフに寄付され、飲料水を確保するための井戸の新設と10年間のメンテナンスが行なわれる。2007年の同プログラムでは、マリ共和国において、7億1,224万リットルもの清潔で安全な水の支援が実現したという。

ネピアは7月より、開発途上国のトイレ環境を改善するため「nepia 千のトイレプロジェクト」を立ち上げた。『ネピアティッシュ』などの対象商品をキャンペーン実施企業で購入すると、売上げの一部がユニセフに寄付され、東ティモールに1,000の家庭と15の学校でトイレ建設や修復が行われるキャンペーンを実施している。期間は10月31日まで。