今週の話題はとにかくグラフィックカード。GeForce 9800 GTX+、9800 GT、9500 GTといった3種類の新製品が一挙に発売となり、ショップの新製品コーナーを占拠している。
確かにお買い得だが…
まずは「GeForce 9800 GTX+」搭載製品から。今回確認できたのは、ZOTAC、玄人志向、Palitの3モデル。価格は、ZOTAC製が27,000~28,000円前後、玄人志向製が26,500円~30,000円前後、Palit製が25,980円(ドスパラ秋葉原本店のみ)。入荷量は多くなく、完売となったショップも出ていた。
GeForce 9800 GTX+は、その名称が示すように、9800 GTXの強化版といった仕様のGPUだ。ストリームプロセッサの数は128個と変わらないが、コアクロックが675MHz→738MHz、シェーダクロックが1.688GHz→1.836GHzと、それぞれクロックアップされている。メモリ周りの仕様に変わりはない。
ちょっと前のハイエンドの性能が3万円以下で手に入るということで、売れ行きは悪くはないようだが、ショップ側の手応えとしてはイマイチといった感じも。確かに、性能から見るとお買い得感はあるのだが、6ピン電源が2つという消費電力の高さはそのまま。この価格帯のユーザーはそもそも大出力の電源など持っていない場合も多く、敬遠する人もいるようだ。
このGeForce 9800 GTX+の戦略的な価格については、「ATI(AMD)に対抗するため」との見方が強い。しかし苦戦しているGeForce GTX 280/260の価格は発売時に比べてかなり下がってきており、むしろ「GTX 260と食い合うだけ」という声も。最近のNVIDIAの動きは「迷走」とも映り、「ゲーム、特に洋モノでは、GeForce系の方が速いタイトルも多い。もっとドーンと構えて欲しい」と苦言を呈すスタッフもいた。
9800 GT/9500 GTは大量に登場
GeForceには、「9800 GT」と「9500 GT」という新GPUも仲間入り。各社から多数のモデルが登場しているが、ありがちな「リファレンスモデルばかり」という状態ではなく、オリジナルファン搭載モデル、オーバークロックモデル、ファンレスモデルなど、発売直後ながらバラエティに富んだラインナップとなっている。
9800番台のローエンドとなる9800 GTの仕様は、ストリームプロセッサ数が112個、コアクロックが600MHz、シェーダクロックが1.5GHz……となるのだが、じつはこの数字は以前の8800 GTと全く同じ。現時点では8800 GT搭載カードの方が安い場合も多いので、"最新"ということにこだわらなければ、そちらを狙うのもアリだろう。
発売が確認できた製品メーカー | クロック | メモリ | 価格 |
---|---|---|---|
InnoVISION | 600MHz | 512MB | 18500円前後 |
InnoVISION | 650MHz | 512MB | 20000円前後 |
InnoVISION | 600MHz | 1GB | 23000円前後 |
Leadtek | 600MHz | 512MB | 20000円前後 |
GIGABYTE | 600MHz | 512MB | 20000円前後 |
GALAXY | 600MHz | 512MB | 18000円前後 |
ZOTAC | 600MHz | 512MB | 19000円前後 |
玄人志向 | 600MHz | 512MB | 16500円~18000円前後 |
一方9500 GTの仕様は、ストリームプロセッサ数が32個、コアクロックが550MHz。メモリはDDR2とGDDR3に対応している。価格帯は8,000円~13,000円といったところで、GIGABYTEとFORSAからはオーバークロックモデル、Palitと玄人志向からはファンレスモデルも登場している。
S3を忘れていないか?
S3 Graphicsから久しぶりに登場した新GPUが「Chrome 400」シリーズ。これを搭載した製品が店頭にデビューしている。下位モデルである「Chrome 430 GT」を搭載したAOpen製の「Chrome CRF430GT」。パフォーマンスについては、すでにレビューが掲載されているので、そちらを参照して頂きたい。
ただ、6,000円~7,000円程度とローエンドの価格帯であるので、性能云々というよりも、「Chromotion」などのS3らしいユニークな機能に注目してみてはどうだろう。筆者も昔、DeltaChromeのエンボス効果フィルタで遊んだものだが、この機能、とりあえず面白いのだが、実用性は全くない。Chrome 400シリーズでも利用できるようなので、ぜひ試してもらいたい。
ちなみに、PCI Express x16スロットを備えるEPIA SNなどを使えば、CPU/チップセット/GPUを全てVIA(S3)で揃えることができる。Nanoプロセッサを搭載したノートPC向け開発プラットフォームをVIAは「Trinity」と呼んでいたが、そのデスクトップ版(のようなもの)を自作するのも悪くない。
Mini-ITXでもCore 2 Extreme!
最近、Mini-ITXフォームファクタの製品が立て続けに出ているが、今週はZOTACから、なんとLGA775に対応した「nForce 610i ITX」という製品が登場している。ちょうど先週はAMD向けの「MINIX 780G-SP128MB」(J&W製)を紹介したばかりで、Mini-ITXでもパフォーマンスを重視したい人には選択肢が増えてきている。
チップセットはNVIDIAのGeForce 7050+nForce 610i。メモリは2スロット、SATAは2ポート用意されており、拡張スロットはPCI Express x1を1つ備える。価格も1万円前後と安いので、注目製品となりそうだ。
また、G45チップセットを搭載するマザーボードがついに登場。GIGABYTEの「GA-EG45M-DS2H」というマイクロATXの製品で、価格は15,000円前後だ。ボード上にPCI Express x16形状のスロットがあるが、動作はx4となるので、将来的に拡張を考えたい人は注意。
ついに1TBが1万円切り
大容量HDDの価格が下がってきているが、特売ながら、なんと1TBで1万円を切るショップが現れた。告知を行ったのはT-ZONE PC DIY SHOP。Western Digitalの「WD10EACS」(SATA/キャッシュ16MB)を、2日(土)限定で9,980円で販売する(10台限定)。おそらく開店と同時に完売だろうが、HDDの値下げ傾向は今後も続くと思われるので、こういったセールも増えるのではないだろうか。