――OKIデータから見たDTP市場とは、どのような市場なのでしょうか?
「我々がバーティカル市場と呼んでいるDTP分野は、プロフェッショナルな方々が集まっている市場です。当然、求められる要求レベルも高いですし、それをクリアすることにやりがいを感じています。 デザイン、印刷の現場はリプレイス市場だと認識していますので、まずは買い替え時にMICROLINEを選んでいただくことから始めたいと考えています。また、Microsoft Officeアプリケーションを使いこなしているビジネスの現場からは『プロユーザーが使っているものと同じプリンタを使いたい』、『より高品位なプリント結果を得たい』というニーズの高まりを感じます。この分野にも、デスクトップカラーページプリンタを長く手がけてきた我々の商品をアピールできると思います。 もうひとつターゲットとなるのはライトパブリッシング市場です。デスクトップタイプなので名刺やハガキなどの軽い印刷物になると思いますが、プリンタで手軽に商売を始めるきっかけのひとつになればいいなと思っています。限られた市場だとは思いますが、仕掛けていく価値は十分にあります」
――DTP向けデスクトップカラープリンタは業界が縮小傾向にあるというか……。以前とは様相が様変わりしていますよね。
「当社の強みは、いち早くB4サイズ対応のモノクロページプリンタを発売したのに始まり、これまでずっとDTP業界にフィーチャーした商品を手がけてきたことです。昨年Mac OS X 10.5がリリースされたことでお客様からは『Leopard対応はいつ?』と何度も聞かれましたし、Mac市場が縮小しているとは思ってはいません。何より、DTP業界の方が求める画質、対応用紙サイズ、両面印刷機能、スピードなど、すべてをオールマイティにカバーしているのは当社商品だと自負しています。 ただ、DTP市場も年々若い方が入ってきているのでMICROLINEというブランド力をもう一度アピールし直さなければならない時期に来ているとは思います」
――OKIデータにとって、やはり「MICROLINE」ブランドは重要な位置にあるのでしょうか?
「先ほどお話ししたように、B4サイズ対応のプリンタを出したとき、お客様から『B4サイズではA4にトンボを打つことしかできない。サイズが小さい』と言われました。ではA3サイズではと聞くと、『A4見開き原稿にトンボが打てるA3ノビがいい』と言うのです。そこで当時の開発者と侃々諤々の話を何度も行い、A3ノビをカセット給紙で両面印刷できる今のMICROLINEの形ができました。そういうお客様の想いに応えていった結果が、MICROLINEが培ってきたブランド力です。そのDNAは現在でも脈々と開発者それぞれの胸の中に秘められています」