7月17日、MICROLINE 910PS/ Pro 930PSシリーズとC710dnが発表された。MICROLINEシリーズは、DTP業界にいるものにとって非常になじみ深いブランドの一つである。発表会では、ジャズシンガーによる「Imagine」のミニライブや、普段は表舞台に経つことのない開発者のビデオプレゼンテーションなどのユニークな試みで来場者に新商品がアピールされた。発表会の終了直後、OKIデータ代表取締役社長CEO・杉本晴重氏に新商品に掛ける"想い"を伺った。
――杉本社長は就任されて半年経たれましたが、心境の変化や新たな抱負などはありますか?
「今の心境としては、ますますやる気が出てきているのと同時に、難しい面も見えて来たというところです。ただ、手がけている内容はとても面白いです。お客様、ビジネスパートナー様、そしてOKIグループ全体からもOKIデータへの期待の高まりを感じています。今日発表したMICROLINE 910PS/ Pro 930PSシリーズは、当社のフラッグシップと言える商品ですが、こうした従来からの商品はしっかりやっていかなければなりません。同時に、モノクロのSFP(Single Function Printer)、カラーのMFP(Multi Function Printer)も早期に新商品を出したいと考えていますが、まずは商品強化と価格の見直しを含め、他社との競争力を高めていきたいと思います」
――4月1日には組織改革も行われ、新しい体制となりました。その効果はいかがでしょうか?
「この組織改革は、新中期計画の実現に向けて効率的なマネジメントスタイルへ変革を図るための第一歩だと考えています。統括本部制を導入し、プリンタ事業統括本部、生産統括本部、営業統括本部の3つの統括本部を設置しました。目的は、各統括本部の責任と権限をハッキリさせようということです。たとえば、これまでのプリンタ開発では商品企画部門と技術部門は別々の組織でしたが、新体制となってからは、プリンタ事業統括本部が企画から開発までを手がけられるようになっています。また、国内営業本部と海外営業本部はOKIブランドビジネスに特化し、OEMビジネスは新たにOEM営業本部を新設して分離しています。こうした統括本部制度導入の狙いは、商品企画から開発までの時間を短縮しよう、商品の企画力を上げようというところにあります。逆に生産統括本部は、生産だけでなく物流や棚卸しなどの商品管理も担当することで、全体的に最適なコストダウンができるようにと考えています。それぞれの統括本部は経営陣が先頭に立っていますので、統括本部がまたがるような話でも決定までに至る時間がスピードアップしました。この点が1番の効果だと言えるでしょう」
――今年2月にインタビューさせていただいたときは販売力強化についてのお話しも伺いました。その後、状況はいかがでしょうか?
「現在、OKIデータはワールドワイドで2,000億円近い売上げがありますが、その約半分はヨーロッパで、次いで米州(南北アメリカとカリブ海)、日本、その他という割合になっています。そこで、全体の売上げを100としたときにヨーロッパを40、米州を30、そして日本を20という割合まで引き上げるのが当面の目標です。また、今後の期待値が高い新興国と呼ばれるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)やVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)にも積極的に販売活動を行い、全体の1割に当たるシェアを獲得したいと考えています。 今回の組織改正で、国内営業本部はOKIブランドに注力した活動を行えるようになりましたので、あらためてお客様への周知運動を仕掛けていきます。その第一歩となるのが、7月17日に発表した新しいMICROLINE 910PS/ Pro 930PSシリーズなのです」